📌 この記事でわかること
- ADHDの長男が「高専に行く」と宣言してから合格するまでの1年間の道のり
- 失速・推薦落ちを乗り越えた「塾を減らす」という逆転発想
- やる気スイッチが入るまで「待った」夏の話
- 発達障害の子に高専が合う理由と、入学前に親がやっておいたこと
※本記事にはPRが含まれます
「高専に行く」
長男が突然そう言い出したのは、中学2年の3月だった。きっかけは1つ上の友達が高専に合格したこと。寮の写真と食堂のメニューを見せてもらって「俺も行く」と。
当時の長男の成績は、偏差値50以下。高専には届いていなかった。でも「本人がやると言った」——その気持ちを信じることにした。
📊 受験までのスケジュール
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 中2の3月 | 「高専に行く」と宣言 |
| 中3の1学期中間 | やる気が出て5教科合計が約100点アップ |
| 中3の夏 | 失速。夏休みもダラダラ |
| 中3の9月 | オープンキャンパスでやる気が復活 |
| 中3の秋 | 高専専門の動画学習を導入・塾を週1に減らす |
| 中3の1月 | 推薦入試(数学・理科・英語・面接)→不合格 |
| 中3の2月 | 一般入試→合格 |
🌱 やる気のスイッチはオープンキャンパスだった
夏休みが終わっても全然エンジンがかからなかった長男が、9月のオープンキャンパスで変わった。実際に校舎を見て、在校生の話を聞いて、「ここで5年間過ごす自分」がイメージできたんだと思う。帰り道の長男の顔が、行きと全然違った。
⭐️ここが大事!
発達グレーの子は「頭でわかる」より「具体的にイメージできる」ことでやる気に火がつくことが多い。オープンキャンパスは絶対に連れて行ってほしい。
📚 塾を「減らす」という逆転発想
長男はもともと週2〜3回の個別塾に通っていた。でも秋から本人の希望で週1に減らし、1月からは休会。代わりに始めたのが、高専入試に特化した動画学習だ。
夫が見つけてきて長男に見せたところ、初めて自分から「これを買ってほしい」と言った。約18万円。一瞬迷ったが、「塾代も1回10万以上かかっていた」と考えて即決した。
ADHDの子は「自分のペースで、好きな時間に、繰り返せる」学習スタイルと相性がいいことが多い。集団塾のように「今日はここまで」と進められる形より、「わかるまで何度でも見られる」動画学習の方が合っていたんだと思う。
😤 中3の夏、失速した長男を「待った」
9月のオープンキャンパスの前、夏休みの長男は本当にダラダラしていた。起きる時間はどんどん遅くなる。勉強している気配がない。「このまま受験、大丈夫なの?」という言葉を何度飲み込んだかわからない。
でも、何も言わなかった。ADHDの子に「頑張れ」「もっとやれ」と言い続けても逆効果になることが多い——それを長男との関わりの中で学んでいたから。外からプレッシャーをかけるより、やる気のスイッチが入る瞬間を待つ方がいい。そう信じていた。
でも「待つ」のは、言うほど簡単じゃなかった。夫婦で「もう少し待とう」と言い合いながら、9月を迎えた。
⭐️「待てた」のは、この子はやれるという根拠のない確信があったから。「待つ」は何もしないことじゃなくて、信じること。
💔 推薦落ち、あの日のこと
1月の推薦入試が終わって、長男が試験から帰ってきたときの顔を今でも覚えている。疲れた顔ではなかった。でも何かを抑えているような、平静を保とうとしているような——そういう顔だった。
結果が出た日、長男はぽつりと言った。「一般で受ける」
私は何も言わなかった。ただ「わかった」と言った。励ます言葉を探したけれど、何も思いつかなかった。この子はもう自分で決めている。余計な言葉より、「わかった」の一言の方が伝わると思ったから。翌日から長男は、また動き始めていた。
🌸 合格した日のこと
2月の一般入試の合格発表は、Webで確認する形だった。しばらくして、長男からLINEが来た。「受かった」それだけ。
飛び上がって、夫に電話した。声が出なくて笑ってしまった。「偏差値50以下から偏差値61の高専へ」——数字より、「この子が、やれた」という気持ちの方が大きかった。
宣言から約1年。失速して、待って、動き出して、また転んで、最後に立ち上がった。その全部が、今の長男を作っている。
🏫 発達障害の子に高専が合う3つの理由
①「好き」を突き詰められる環境がある
高専は1年次から専門科目に触れる。「ロボットが作りたい」「プログラミングがしたい」という子には、その熱量を活かせる場が最初からある。ADHDで「興味のないことは続かない」長男には、これが決定的に大きかった。
②「変わり者」が多く、浮きにくい
高専には「自分の興味にまっすぐな子」が集まる傾向がある。長男が「高専に来てから、初めて自分みたいな人がいると思った」と言ったとき、胸がじんとした。
③クラスが小さく、人間関係が安定している
高専は1学科40人前後で、5年間同じメンバーで過ごす。人間関係の変化が苦手な子には「顔と名前が一致している安心感」がある。
📋 入学前に私がやっておいたこと
①特性サマリーを1枚にまとめた
診断名・困りごと・これまでの支援経過を1枚にまとめて担任に渡した。「できないこと」の羅列ではなく「こうしてもらえると助かります」という形にしたのがポイント。口頭だと感情的になりがちな私には、書面にすることで冷静に・正確に伝えられた。
②本人に「困ったら自分で言う」を練習させた
高専は自己管理の世界。先生が細かく面倒を見てくれるわけではない。「困ったときは自分から相談する」ことを入学前に何度も話し合った。これが入学後、実際に自分から相談に行けた場面につながったと思っている。
💡 動画学習が長男に合った理由
長男が動画学習で結果を出せた理由を振り返ると、ADHDの特性との相性が大きかった。
集団塾では「授業が進むペースに合わせる」必要がある。でも動画なら、わからなければ止めて何度でも見直せる。「今日はここだけ」「この問題だけ繰り返す」という使い方ができる。自分でペースをコントロールできることが、ADHDの長男には決定的に合っていた。
⭐️ 発達グレーの子の受験対策は「学習スタイルが合っているか」が最重要。内容より先に、その子に合う形を見つけることが近道です。
✏️ まとめ——親がやったこと・やめたこと
❌ 「勉強しなさい」と口出しし続ける
⭕️ 本人が「行きたい」と思える場所を一緒に探す
❌ 塾を増やして管理しようとする
⭕️ 本人のペースに合わせて「自分でやる力」を育てる
❌ 推薦落ちで一緒に落ち込む
⭕️ 「一般で受ける」と言った子どもの言葉を信じて待つ
偏差値よりも、その子が生きやすい環境を探すことの方が、ずっと大切だと思っている。長男の受験を通じて、そのことを改めて感じた。
進路で悩んでいるお母さんに、少しでも届いていたら嬉しいです。
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