📌 この記事でわかること
- ADHDとASDの兄弟、家での関係
- 思春期に兄弟関係が壊れかけた3年間と、そこから少しずつ戻ってきた話
- 「仲良くさせなきゃ」より「見守る」を選んだ理由
※本記事にはPRが含まれます
「発達障害の兄弟って、家では仲いいんですか?」
たまに聞かれることがあります。
答えは——波があります。すごく仲良かった時期もあるし、見ていて胸が痛かった時期もある。
ADHD(不注意優勢型)の長男と、ASDの次男。3歳差のこの2人の関係を紹介します。
小さい頃は「2人でいつも大笑い」——常に一緒だった兄弟
小さい頃の2人は、本当によく一緒にいました。
家の中でも外でも、常に2人セット。
何がそんなに面白いのかわからないけど、2人で転げ回るように大笑いしている。
そういう光景が、日常でした。
次男はASDの特性で、幼児期は癇癪がひどく、外出先でのパニックも多かった。
でも長男といるときだけは、なぜか落ち着いていることが多かった。
お兄ちゃんの存在が、次男にとっての「安心」だったんだと思います。
長男にとっても、次男はかけがえのない弟でした。
小4長男が「自慢の弟」と言っていた話
長男が小学4年生、次男が1年生のころの話です。
長男は、学校でも「うちの弟がさ〜」とよく話していたようで、クラスメイトたちも次男のことを可愛がってくれていました。
下校途中に次男を見かけると「あ、○○の弟だ!」と声をかけてくれる子も。
そのころの長男にとって、次男は本当に「自慢の弟」だったんだと思います。
支援学級の話をしたとき、長男が反対した理由
長男が5年生のとき、次男を支援学級に入れることを検討していた時期がありました。
子どものことなので、長男にも話しておこうと思って相談したんです。
すると長男は、反対しました。
理由を聞くと——
「弟のことを、みんなの見る目が変わるから」
「かわいい弟の価値が下がる気がする」
子どもなりの、精一杯の言葉でした。
弟のことをそれだけ大切に思っているから出てきた言葉だとわかって、胸がいっぱいになりました。
私はそのとき、長男にこう説明しました。
「今の次男の担任の先生が、次男に合っていない。長男も知っているあの先生のこと。だから、次男の味方になってくれる先生をもう一人作りたいんだ」と。
長男は、少し考えてから「それならわかった」と言いました。
弟のためを思って反対した長男が、弟のためを思って納得してくれた。
そのことが、今でも忘れられません。
ちなみに、長男が中学を卒業するとき、次男がぽつりと言った言葉があります。
「次に同じ学校に行けるのは、大学だね」
3歳差だから、同じ学校に通えるタイミングがない。
それをちゃんとわかっていて、さみしさを口にした次男。
このころの2人は、まだそんな関係でした。
⭐️ここが大事!
きょうだいに「支援級に入れようと思う」と話すとき、理由をちゃんと説明することが大切だと感じました。子どもは子どもなりに、きょうだいのことを真剣に考えています。
思春期に入った長男、3年かけて次男の心が離れていった
長男が中学に上がると、変わりました。
思春期特有のイライラ。全てが投げやりになる時期。
家族全員がその影響を受けましたが、いちばん近くにいた次男も例外ではありませんでした。
次男に意地悪なことを言ったり、冷たくしたり。
長男自身も、自分をうまくコントロールできない時期だったんだと思います。
それが3年続きました。
次男の心が、じわじわと離れていくのが見えました。
長男がいる部屋に行かなくなる。長男が話しかけても、短く返すだけ。
「お兄ちゃんがいると意地悪を言われるから」と、避けるようになっていきました。
あんなに仲良しだった2人が、同じ家にいるのに別々の空間で過ごしている。
見ていて、正直しんどかったです。
でも私は、間に入って無理に仲良くさせようとはしませんでした。
長男の思春期は長男のものだし、次男が自分を守るために距離を置くのも当然のことで。
どちらも間違っていない。ただ、時間が必要なんだと思っていました。
高専に入り離れてから、少しずつ戻ってきた

長男が高専に合格して、入寮しました。
毎日顔を合わせなくなった。物理的に距離ができた。
それが良かったのかもしれません。
長男が週末や休みに帰ってきたとき、次男の様子が少し変わりました。
「嫌じゃない」という感じ。以前のように避けたりしない。
一緒にゲームをすることもあるし、2人で散歩に出かけることもある。
昔ほど「常に一緒」ではないけれど、同じ空間にいられるようになっていました。
離れることで、お互いの存在を少し客観的に見られるようになったのかもしれない。
毎日のイライラがなくなって、長男も変わってきた。
寮生活で自分と向き合う時間が増えたことも、関係していると思います。
👩🏫 きょうだいで比べない環境をつくる
きょうだいがいると、勉強はどうしても比べられます。同じ家で同じ教科をやっていれば、なおさらです。
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「また仲良くなれたら」——今は見守るだけ
今の2人の関係を、一言で表すなら「再構築中」といったところでしょうか。
小さいころのような、転げ回って笑う関係ではない。
でも、冷たくもない。少しずつ、お互いの距離感を作り直している途中。
私は、無理に仲良くさせようとは思っていません。
きょうだいだからといって、ずっと仲良しじゃなくていい。
離れる時期があっても、それは自然なことだと思うから。
ただ、またいつかあの頃みたいに、2人で大笑いする日が来たらいいなとは思っています。
「次に同じ学校に行けるのは大学だね」と言った次男の言葉を、今でも時々思い出します。
そのくらい、あのころの2人は本当に仲良しだったから。
その土台は、きっとどこかに残っている。
そう信じながら、見守っています。
きょうだいが同じ家に育っても、友達のように仲良しにならなくていい。それぞれが自分の居場所を持ちながら、必要なときに支え合えればそれで十分だ——今の私はそう思っています。発達障害のある子たちは、お互いの「違い」を案外早くから感じ取っています。長男は次男の癇癪をずっと傍で見てきたし、次男は長男が怒られても注意されても動けない場面を見てきた。その経験が、いつかお互いの強みになることもあると信じています。
発達障害の子を育てていると、きょうだい関係の悩みは後回しになりがちです。
でも、きょうだいの間で起きていることも、ちゃんと子育ての一部。
同じように悩んでいるお母さんの、何かヒントになれば嬉しいです。
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