📌 この記事でわかること
- 発達障害の子の面談、短い時間で何を伝えるか——「紙に3つ」の方法
- 面談で親が聞いておきたいこと・先生の「できています」の受け止め方
- 面談を待たずに、親から申し込むという選択肢
三者面談や個人面談の季節になると、そわそわします。
伝えたいことは山ほどある。でも持ち時間は15分ほど。次の親子が廊下で待っている。あの短さの中で、発達障害のあるわが子について何をどう話すか。私は毎回、作戦を立てて臨んできました。
ADHDの長男とASDの次男、ふたりぶんの面談を長年やってきて分かった、短い面談を無駄にしないやり方を書きます。
⏰ 15分は、思っているより短い
面談の時間は、あっという間に溶けます。
最初の数分は成績や学校での様子の報告。そこに相槌を打っていると、もう半分過ぎている。「何かご心配なことはありますか」と聞かれたのは残り5分。慌てて話し始めたけれど、まとまらないまま「では時間ですので」——。
これを何度かやって、悟りました。面談は、その場で考えながら話す場ではない。持ち込むものを先に決めておく場だ、と。
📄 わが家の答えは「紙に3つ」
わが家がたどり着いた方法は、単純です。伝えたいことを、紙に3つだけ書いて持っていく。
3つの中身は、毎回だいたいこの型です。いま困っていること。家でこうすると落ち着くこと。先生にお願いしたいこと。
長々と説明すると、逆に伝わらない——これは私が何度も失敗して学んだことです。口で10分話すより、紙に3行書いて渡すほうが、先生の手元に残ります。面談が終われば、話した言葉は消えます。でも紙は職員室に持ち帰ってもらえる。学年が変わるときの引き継ぎ資料にもなります。
それに、紙にする作業は、親自身の整理にもなりました。伝えたいことを3つに絞る過程で、「これは今回言わなくていいな」が見えてくる。面談の前夜に3行書く時間が、私にとっては作戦会議でした。

👂 先生の「できています」を、どう聞くか
面談で先生から出てくる言葉に、「学校では、できていますよ」があります。
私はこの言葉に、就学相談で一度、面食らったことがあります。園の先生が「朝の会もお利口です」「みんなと行動できています」と話すのを聞きながら、家で見ている子と違いすぎて、頭に「??」が浮かびました。
でも今は、こう受け止めています。先生は嘘をついているわけではない。学校での顔と家での顔は、本当に違うんです。特に、外でがんばって適応するタイプの子は、学校で「できている」ように見えます。そのぶん家で崩れていても、先生からは見えません。
だから「できています」と言われたら、否定も安心もせず、家の情報を並べて置くようにしています。「学校でそうしてくれているんですね。実は家では、帰ってから毎日こうなんです」。どちらが本当か、ではなく、両方が本当。先生の見ている半分と、親の見ている半分を合わせて、やっと全体像です。面談は、その半分ずつを交換する場だと思うようになってから、気が楽になりました。
❓ 親から聞いておきたいこと
伝えるだけでなく、聞くほうも準備しておくと、面談の実りが変わります。私がよく聞くのは、こんなことです。
休み時間は誰と、何をして過ごしていますか。——授業の様子は成績で分かりますが、休み時間の姿は聞かないと分かりません。友達関係の様子は、ここにいちばん出ます。
困っている場面はどんなときですか。——「がんばっています」の裏側を聞く質問です。具体的な場面が返ってくれば、家でのフォローにつなげられます。
連絡はどの方法がいいですか。——先生によって、連絡帳がいい人、電話がいい人、面談を挟みたい人と、やりやすい形が違います。最初に聞いておくと、その後のやりとりがスムーズになりました。
三者面談ならではの注意も、ひとつあります。本人が隣に座っている、ということです。
親と先生が、本人の頭の上で「できないこと」を並べ合う時間は、子どもにとってかなりつらいものだと思います。特性のある子は、自分の話をされていると分かっていても、口を挟むタイミングがつかめず、ただ聞いているしかないことが多い。
だからわが家は、本人の前で話す内容と、親と先生だけで話したい内容を、あらかじめ分けておくようにしています。込み入った相談があるときは、「後日、少しお時間いただけますか」と別の機会をお願いする。三者面談の場では、本人のがんばりが一つは話題に上がるように、こちらから水を向ける。「家でこういうことができるようになったんです」。隣で聞いている本人に、その一言は届いています。
面談からの帰り道、子どもに何と言うかも、実は面談の一部です。注意された点を復唱するより、「先生、あなたのこと、ちゃんと見てくれてたね」で終わるほうが、次の面談への足取りが軽くなります。
👀 面談で分かるのは、話の中身だけではない
少し違う角度の話をひとつ。
次男が中1のころ、通っていた塾の面談で、こんなことがありました。担当の先生に質問をしたら、その先生は答えられず、黙って隣の塾長を見上げたんです。あとは塾長がなめらかに引き取って、面談は穏やかに終わりました。
私はあの数秒で、この塾では現場の情報が親に届かない仕組みなんだ、と分かってしまいました。ほどなくして、辞めました。
面談で分かるのは、話の中身だけではありません。誰が答えるか。具体的に答えられるか。子どもの名前で語られるか、一般論で流されるか。わが子を日常的に見てくれている人の言葉には、細部があります。細部のない面談が続くようなら、伝え方を変えるか、話す相手を変えるサインかもしれません。
もうひとつ、面談で言われたことを全部その場で背負わないことも、覚えておいていいと思います。先生からの指摘に、その場で答えを出す必要はありません。「家で考えてみます」「本人と話してみます」と持ち帰っていい。面談は試験ではないので、即答できないことは、親の失点ではないです。
🚪 面談は、待たずに申し込んでいい
最後に、いちばん伝えたいことを。面談は、学校が設定してくれる年に数回を待つだけのものではありません。
わが家は次男の小学校入学のとき、保育園からの申し送りがゼロでした。だから担任の先生が決まった4月のうちに、こちらから面談を申し込みました。学校は、頼めば時間を作ってくれます。うちの経験では、断られたことはありません。
特に新年度は、先生がまだわが子のことをほとんど知らない時期です。定例の面談は夏ごろだったりしますが、それまでの数ヶ月を「知られていないまま」過ごすのは、特性のある子にはもったいない。年度の頭に一度、親から動く。これはわが家で一番効いた面談術かもしれません。
⭐ここが大事!
短い面談は、その場で考える場ではなく、準備したものを渡す場です。伝えたいことは紙に3つだけ——困っていること・こうすると落ち着くこと・お願いしたいこと。先生の「できています」は否定せず、家での様子を並べて全体像を作る。そして面談は定例を待たず、親から申し込んでいいんです。
🍂 まとめ——半分ずつを、持ち寄る場
面談が苦手でした。短いし、緊張するし、終わってから「あれを言えばよかった」ばかり残るので。
でも、紙に3つ書いて持っていくようになってから、面談は「うまく話す場」ではなくなりました。準備したものを渡して、先生の見ている半分を受け取って帰る場。それなら、話し下手でも成立します。
今度の面談で言いたいことがあるなら、前の夜に3行だけ、紙に書いてみてください。その紙が、15分の面談を何倍にもしてくれます。
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