ADHDの子が謝れない・屁理屈が多い理由|「だって」「違う」を繰り返す子への声かけ

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※本記事にはPRが含まれます

📌 この記事でわかること

  • ADHDの子が「謝れない・屁理屈が多い」のは反抗ではなく脳の特性
  • 「だって」「お母さんの考えでしょ」が出る仕組み
  • やってはいけない対応と、うちで効果があった声かけ

「なんでこの子は、素直に謝れないんだろう。」

そう思いながら、何度ため息をついたかわかりません。

注意すれば「だって……」。
間違いを指摘すれば「お母さんの考えでしょ」。
忘れ物を確認すれば「そんなに重要なものは忘れてないよ」。

謝るどころか、なぜか言い訳の方が先に出てくる。

長男がADHD(不注意優勢型)と診断されたのは小学3年のとき。診断後、いろんな特性を勉強してきたつもりでした。でも正直、この「謝れない問題」だけは長いこと答えが出なくて、ずっと消耗していました。

「反抗している」のか「わかってない」のか「ただの屁理屈なのか」——。

今日はネットや書籍でかき集めた情報と、うちでの実体験からこの謎を解説します。

🧠 反抗じゃない。ADHDの脳の「仕組み」の問題です

最初に結論。

ADHDの子が謝れないのは、性格が悪いわけでも、親の育て方が悪いわけでもありません。

脳の機能の特性として、「素直に謝る」という行動が、ものすごくハードルが高いんです。

理由は主に3つあります。

理由① ワーキングメモリが弱い——「全体像」を同時に持てない

ワーキングメモリとは、頭の中の「作業台」みたいなもの。

料理に例えると、一度に何品も並べて調理できる広いキッチンか、一品しか置けない狭いキッチンか、の違いです。

ADHDの子は、このキッチンが狭い。

「自分が何をしたか」「相手がどう感じているか」「状況全体として何が問題か」——これを同時に処理することが難しいんです。

だから、「叱られている理由」と「自分の言いたいこと」を同時に考えると、どちらかが飛んでしまう。結果として、言いたいことだけが口から出てしまう。

謝れない子が「だってお母さん、前にこう言ってたじゃん」と持ち出してくるのも、「前の発言」という一点だけに集中してしまって、状況が変わったという文脈ごと考えることができないから起きるんです。

⭐️ここが大事!「屁理屈」じゃなくて、「他のことが見えなくなっている」状態。

理由② 感情調節が苦手——「指摘される」だけでパニックに近い状態になる

ADHDの子は、感情の調節が苦手。

「ちょっと注意する」つもりでも、本人の受け取り方は「全否定された」「攻撃された」くらいの強度になることがある。

防衛本能が働いて、まず「自分を守る」ことが優先されてしまう。

謝るより先に言い訳が出てくるのは、自分を守ろうとしている反応。意地悪ではなく、パニックになりかけている状態での反射的な行動とも言えます。

⭐️ここが大事!「反抗」ではなく「防衛」。目の前の子は今、追い詰められかけています。

理由③ 自己認識が難しい——自分を客観的に見るのが苦手

「自分が今どう見えているか」を正確に把握することが、ADHDの子には難しい。

だから「忘れ物が多い」と言われても、自分の中では「一応やってる」感覚がある。客観的なデータ(先生からの連絡)よりも、自分の主観的な感覚の方が「正しい」と感じてしまうんです。

長男が「そんなに重要なものは忘れてないよ」「最近は大体大丈夫」と言うのも、本人の中ではそれが事実として感じられている。嘘をついているわけじゃなく、見え方がそもそも違うんです。

⭐️ここが大事!「うそをついている」わけではない。本人の世界では、本当にそう見えている。

📖 うちの長男の話

長男は幼い頃から、屁理屈が多い子でした。

「こうだよ」と教えると「えー、だって……」。
「やめてね」と言うと「お母さんの考えでしょ」。

中学に入ってから特に顕著になりました。

学校の先生から「最近、忘れ物が続いています」と連絡が来た日。

「忘れ物、最近多いって先生から聞いたよ」と伝えると——

「そんなに重要なものは忘れてないよ」
「最近は大体大丈夫だよ」

先生から聞いていると伝えても、「その日はたまたまだよ」と。

怒る気力も湧かないまま、なんとも言えない虚しさだけが残ったのを覚えています。

そして今でも、たまに注意すると「だってお母さん、前にこう言ってたじゃん。前と言ってること違うのはおかしくない?」と持ち出してくることがある。

確かに前にそう言ったかもしれない。でも状況が変わっているし、言葉だけを切り取っても意味が違う——そのことがうまく伝わらない。

本人は全く悪気がない。むしろ「自分は正しい」という確信がある顔をしている。

そのズレが、一番しんどかったんだと思います。

❌ やってはいけない対応

❌NG① 感情的に「謝りなさい!」と迫る
→ パニック状態がさらに強まる。言い訳がエスカレートするだけ。

❌NG② 「前に〜って言ったじゃない」と過去の会話で言い返す
→ 同じ土俵に乗ることになって、水掛け論になるだけ。疲れます。

❌NG③ 長々と説教する
→ ワーキングメモリが弱い子は、長い話の途中で最初の内容が飛んでしまう。「なんか怒られた」という感情だけが残る。

❌NG④ 「なんでわからないの」と責める
→ 本人には「わからない」自覚がない。責められると余計に防衛モードに入る。

✅ うちで効果があった声かけと対処法

① その場で謝ることを求めない

謝ってほしいなら、今じゃない。

頭が冷えてから「さっきのことなんだけど」と短く切り出す方が、ずっとうまくいきました。興奮状態のときに謝らせようとしても、本人の中には何も残りません。

② 「前にこう言ったこと」には乗らない

「前にそう言ったのは本当だよ。でも今は状況が違うから、また別の話ね」と一言だけ返す。

それ以上は深入りしない。「今の話をしよう」と戻す練習を自分にしました。

③ 事実だけを短く伝える

「先生から連絡があって、忘れ物が続いてるって書いてあった。体育着と宿題プリントが3回続いてる」

感情を乗せず、数字や事実だけを伝えると、言い訳が出にくくなる。「そんなに重要じゃない」への反論もしない。「先生がそう書いていた」という事実に戻すだけ。

④ 謝る代わりに「次どうするか」を聞く

謝ることより、「次どうするか」の方が、ADHDの子には入りやすいです。

「謝ってほしい」は過去への要求。「次どうする?」は未来への提案。

未来の話の方が、本人も考えやすい。

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「次どうする?」「事実だけ伝える」など、この記事で紹介した声かけをもっと体系的に知りたい方に。場面ごとの具体的な言葉が載っていて、開くたびに「こう言えばよかった」が見つかります。

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🌱 思春期を越えて

中学時代は本当にしんどかった。

でも高専に入って環境が変わり、寮生活で自立を経験したことで、少しずつ変わってきました。

全部が解決したわけじゃないし、今でも「前に言ってたこと」は出てきます。

でも「まあ、そういう脳なんだ」と理解できてから、私自身のしんどさがずいぶん減りました。

謝れないのは、愛情がないからじゃない。反省していないからでもない。ただ、「謝る」という行動がものすごくハードルが高い脳を持って生まれてきただけ。

そう思えたとき、少し楽になれました。

✅ まとめ

❌ 「謝れない」=性格が悪い・反抗している、ではない
✅ ワーキングメモリ・感情調節・自己認識の特性から来ている
✅ 感情的に迫ると逆効果。冷えてから短く伝える
✅ 「前に言ったこと」には乗らず、「今の話」に戻す
✅ 謝らせるより「次どうするか」の方が前に進みやすい
✅ 特性を理解するだけで、親のしんどさはずいぶん減る

謝れない子を持つお母さんに届いていたら嬉しいです。あなたの疲れもちゃんとわかります☺️

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