📌 この記事でわかること
- 発達障害の子が夏休み明けに行きしぶりやすい理由
- 2学期が始まる前に、家でできる小さな準備
- それでも行きしぶったときの、親の構え方と学校への伝え方
8月の後半になると、カレンダーを見るたびに、そわそわしませんか。
子どもの宿題の残りも気になるけれど、それよりも「2学期、ちゃんと行けるかな」のほうが、ずっと重たい。私も毎年、夏の終わりはそんな気持ちで過ごしていました。
わが家にはADHDの長男とASDの次男がいます。長い休みのあとの「立ち上がり」は、うちの子たちにとって、いつもいちばん危ない時期でした。
この記事では、夏休み明けに絞って、行きしぶりの理由とわが家の乗り切り方をまとめました。
🌻 なぜ、長い休みのあとに行きしぶるのか
「あんなに元気に夏休みを過ごしていたのに、どうして」と思いますよね。でも、発達障害の子にとって、夏休み明けは想像以上にハードルが高いんです。
理由は大きく3つあると思っています。
ひとつめは、生活リズムの乱れ。起きる時間、寝る時間、ごはんの時間。40日かけてゆっくりずれたリズムを、始業式の日にいきなり元へ戻すことになります。大人でも連休明けはしんどいのに、感覚の切り替えが苦手な子には、これだけで大仕事です。
ふたつめは、見通しが立たないこと。2学期は席替え、運動会の練習、新しい単元——「いつもと違うこと」の連続です。先の見えない場所に飛び込むのは、うちの次男のようなASDの子には特に、とても勇気のいることでした。
みっつめは、学校モードの感覚が抜けていること。チャイムの音、教室のざわざわ、集団のスピード。夏休みのあいだに体がすっかり「家モード」になっているので、学校の刺激がいつもより強く感じられるようです。
つまり、行きしぶりは「気合いが足りない」のではなくて、切り替えの負荷が人一倍大きいということ。まずここを親が知っているだけで、朝のイライラがすこし減ると思います。
😢 「行きたくない」は甘えじゃなかった——長男の小1の話
私がこのことを思い知ったのは、長男が小学1年のときでした。
入学からひと月ほどたった5月、長男は約1週間、学校に行きしぶりました。朝になると玄関で固まって、動かない。そのころ、頻繁な頭痛と夜尿も続いていました。
当時の私は「入学したばかりなのに」と焦るばかりで、なんとか行かせることばかり考えていた気がします。でも振り返ると、あれは体からのSOSでした。本人は「行きたくない理由」をうまく言葉にできない。だから体が先に悲鳴を上げていたんです。
長男は多動のない、おとなしいタイプのADHDです。教室で騒がないぶん、困っていても目立たない。先生からは「問題ありません」と言われるのに、家では頭痛と夜尿が続く。このギャップこそが、見落とされやすい子のサインなんだと、あとになって気づきました。
環境が変わった直後や、長い休みのあと。長男が崩れるのは、決まって「切り替え」のタイミングでした。だから夏休み明けも、わが家では「崩れて当たり前の時期」として構えるようになりました。
🏠 2学期が始まる前に、家でできる準備

大がかりなことはしていません。わが家でやってきたのは、この3つだけです。
生活リズムは「1週間前から、すこしずつ」
始業式の前日に「明日から早起きだよ」は、まず無理でした。1週間くらい前から、起きる時間を15分ずつ前にずらしていく。朝ごはんの時間だけでも学校の日に合わせる。それだけで、初日の朝のバタバタがだいぶ違います。
持ち物と時間割を「一緒に」見通す
前日の夜に、時間割と持ち物を子どもと一緒に確認します。ポイントは、親がやってあげるのではなく「一緒に」やること。何がどこにあるか、明日は何があるか。頭の中に小さな地図ができると、次男は目に見えて落ち着きました。見通しは、不安のいちばんの薬だと思います。
次男には、もうひとつ手前の準備をしていました。リビングのカレンダーに始業式の日まで印をつけて、「あと何日」が目で見えるようにしておくんです。初日の持ち物は前日の夜のうちに玄関へ並べて、朝は「起きたら着替えて、ごはん食べて、8時に出るよ」と流れを先に言葉にして渡しておく。ここまでやって、やっと次男の朝は動きました。手をかけすぎかなと思った時期もあったけれど、次男は「見えると安心する子」なんですよね。頭の中で描けないなら、外に描いてあげればいい。そう割り切ってから、私もずいぶん楽になりました。
ハードルは「行けたら100点」まで下げる
「初日から給食まで」なんて目標は立てません。校門まで行けたら100点。教室に入れたら120点。そのくらいでちょうどいい。ハードルを下げるのは、あきらめることではなくて、階段を細かく刻むことなんですよね。
🤝 それでも行きしぶったとき、親はどう構えるか
準備をしても、行きしぶるときは行きしぶります。そのときのわが家のルールは「押さない、責めない、様子を見る」でした。
まず、頭痛や腹痛など体の症状が出ているなら、休ませる。体が悲鳴を上げているときに押しても、いいことはひとつもありませんでした。長男のときの反省です。
そして、早めに学校へ伝えること。わが家では「行きしぶりが続いています。無理はさせず、様子を見ながら登校させます」と、こちらの方針ごと先生に伝えていました。連絡帳でも電話でもいい。親と先生が同じ方向を向いているだけで、子どもへの声かけがそろって、回復が早くなる気がします。
具体的には、始業式を待たずに一報を入れておくのがわが家のやり方でした。連絡帳や電話で「休み明けは崩れやすい子なので、気にかけていただけると助かります」と先に伝えておく。行きしぶりが出たら、「無理に教室に入れなくて大丈夫です」と親の希望もはっきり書きました。あいまいに濁すと、先生も対応に迷ってしまうから。うちは昔から、学校に聞かれる前に「家での様子を親から先に伝える」スタイルでやってきました。先生は家の中までは見えません。だからこそ、こちらから見せるつもりで伝えています。
「休ませたらクセになるんじゃないか」——私も何度も思いました。でも実際は逆で、安心して休めた子のほうが、戻るのも早かった。休ませる勇気は、親の側にこそ必要なのかもしれません。
🚨 完全に行けなくなる前の、体のサイン
最後に、見逃したくないサインをまとめます。長男の経験から、言葉より先に体に出ると私は思っています。
頭痛や腹痛が続く。夜、なかなか寝つけない。朝、起こしても起きられない。おねしょが復活する。食欲が落ちる。日曜の夕方から機嫌が悪くなる。
こうしたサインが重なってきたら、「がんばらせる時期」ではなく「守る時期」に切り替えるタイミングです。行きしぶりの段階で気づいて手を打てれば、完全に行けなくなる前に立て直せることも多いと感じています。
⭐ここが大事!
夏休み明けの行きしぶりは、生活リズムの乱れと「学校のペースを体が忘れていること」が重なって起きます。朝の「お腹が痛い」は、甘えではなく体からのサイン。1日休ませたくらいで行けなくなる子はいません。むしろサインを無視され続けたときのほうが、あとで大きく崩れます。見るべきは明日ではなく、今朝の顔です。
🌙 おわりに
夏休み明けは、発達障害の子にとって1年でいちばん大きな段差のひとつです。
でも、段差があると知っていれば、スロープをかけてあげられます。リズムをすこしずつ戻す、見通しを一緒につくる、ハードルを下げる。どれも小さなことだけど、小さなスロープの積み重ねで、うちの子たちはなんとか渡ってきました。
あの5月の玄関で固まっていた長男は、いま高専の寮で、自分で起きて学校に通っています。あんなに心配した「立ち上がり」も、時間はかかったけれど、ちゃんと本人の力になっていました。
9月の朝が、あなたの家にとって、すこしでも軽いものになりますように。
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