📌 この記事でわかること
- 幼児期・小学校・中学と、ASD次男の特性がどう変化してきたか
- 思春期に入って「良くなったこと」と「変わらないこと」
- IQ85から113になった4年間に何があったか
- ASDの子の思春期を乗り越えるために、親が意識してきたこと
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「あの頃と比べたら、別人みたいに落ち着いた」
次男が中学2年生になった今、幼児期を思い出しながらそう感じることがあります。手がつけられなかった癇癪、何度も経験した脱走、電車の中で1時間泣き続けたあの日。あれが今の次男と同一人物だとは、なかなか信じられない。
でも変わったのは特性そのものではありません。ASDは変わっていない。変わったのは「特性との付き合い方」と「環境」と「成長」です。
幼児期の次男——あの頃が一番しんどかった
次男のASD診断は保育園の4歳ごろでした。
幼児期は癇癪がとにかくひどかった。スーパーで気に入らないことがあると床に寝転んで泣きわめく。「口を塞いで抱きかかえて帰った」経験が何度もあります。電車で大泣きして1時間、周りの目が刺さりながら「虐待に見られてるんじゃないか」と思いながら無になって乗り切った日も。
脱走も何度もありました。スーパーで気づいたらいない。近所の友達のお母さんを巻き込んで探したことが何度かあります。病院でも走り出す。鍵を高い場所につけても椅子を使って出ていく。「次男を連れての外出」が、毎回緊張を伴うものでした。
あの時期が、子育てで一番しんどかった。
小学校低学年で、一気に落ち着いた
不思議なことに、小学校の低学年に入ったころから、癇癪が一気に静かになりました。

言語化の力がついてきたこと、感情の処理ができるようになってきたこと——専門家にはそう教えてもらいました。「火がついたように泣きじゃくる」という場面が、気づいたらほとんどなくなっていた。
小学1年のWISC検査では全検査IQ85でした。言語理解・知覚推理が低め、ワーキングメモリだけが平均(103)という結果。「聞いて覚える力はある。でも言葉で理解する力、視覚情報を処理する力が弱い」——それを知ってから、関わり方が少し変わりました。
「書いて覚えさせる」より「声で確認する」。「一度に全部やらせる」より「一つずつ」。特性に合わせた関わりを積み重ねた4年後、小学5年のWISCでIQ113になっていました。言語理解は86→115(+29)、知覚推理は82→113(+31)。
検査の先生に「良い生活をするとIQが上がる項目があります」と言われたとき、「環境と関わりが子どもを変えるんだ」と実感しました。
小学校高学年——「好き」が見つかった
小学6年の体育の授業でバスケをやって、思いのほかうまくできた。クラスの子に「うちのチームに来て」と名指しで誘ってもらった。帰ってきた次男の顔がいつもと違った。「バスケ面白い」と言った。
ASDの次男が自分から「面白い」と言うのは珍しいことです。それがきっかけで中学でバスケ部に入り、今も続けています。
同じ頃、絵を描くことにもはまりました。色鉛筆で描く次男の絵は独自の世界観があって、上手い。でも私には5枚しか見せてくれません。「見せて」と言っても「これだけ」と言う。自分の世界を守りたいのだと思って、踏み込まないようにしています。
中学生になって——思春期の次男、今のリアル
中学2年になった今の次男は、幼児期からは想像できないくらい落ち着いています。でも「ASDがなくなった」わけではありません。特性は変わらず、ただ「付き合い方が上手くなった」という感じです。
良くなったこと:
✅ 癇癪がほぼなくなった。感情の爆発で困ることがほとんどない
✅ バスケ部でチームメイトと関係が作れている
✅ 好きなことへの集中力と記憶力がはっきり「強み」になってきた
✅ 「もう一回やらせて」と自分から粘れるようになった(小1の頃は「ほめてもらえるか」ばかり気にしていた)
変わらないこと:
❌ 主語がない話し方。唐突に「あれが、こうで」から始まる会話
❌ 自分の好きな動画を「見て!」と永遠に見せてくる(家事の最中でも関係なし)
❌ 提出物や忘れ物の管理が苦手
❌ 空気を読む場面での難しさ
中学になってから、友達関係に少し変化が出てきました。バスケ部のチームメイトと自然に話せるようになっていて、部活後にLINEでやりとりしているようです。「友達ができた」——そう言ったとき、それだけで十分でした。
ただコミュニケーションの独特さは変わっていません。主語がなく話の文脈が飛ぶので、相手が戸惑うことはまだあると思います。「信頼している相手にしかしない行動」(動画を見せ続ける・しつこく話しかける)が友達に向いたとき、うまくいくかどうかは今も少し心配しています。
勉強については、週1・1時間の家庭教師が続いています。それ以上増やすと「全部嫌いになる」のがわかっているので、今は「嫌いにさせない」ことを最優先にしています。
思春期のASDの子——親が気をつけてきたこと
次男が幼児期から中学2年になった今まで、意識してきたことをまとめます。
① 「今は見えていないだけ」と信じて待った
幼児期のあの大変さが、小学校低学年で一気に落ち着いた。「今が一番しんどい」と思っていた時期が過ぎると、子どもは変わることがある。待てた経験があったから、中学でも「今できなくても、数年後は違う」と思えます。
② 「好きなこと」を絶対に潰さなかった
バスケも絵も、私から「やりなさい」と言ったことはありません。次男が「面白い」と感じたときに応援しただけです。特に絵については、「見せてくれた5枚だけほめる」というスタンスを守っています。踏み込みすぎると、好きなものが嫌いになる。
③ 聞き続けた——わからなくても
次男の話は主語がなく、何のことを言っているかわからないことが多い。それでも「うん」「そうなんだ」「すごいね」と返し続けました。全部理解しようとしなくていい。「話を聞いてもらえた」という感覚が、次男には必要だと感じていたから。
④ 専門家とつながり続けた
診断後から今まで、発達外来・支援機関との関係を切らしませんでした。「今すぐ相談することがなくても、通い続ける」ことで、何かあったときの入口を持ち続けました。
📚 自閉症スペクトラムがよくわかる本(本田秀夫)
ASDの特性と成長の関係が、イラストでわかりやすく解説されています。「なぜ幼児期と中学で違う姿を見せるのか」が理解できる一冊です。
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まとめ
- ✅ 幼児期の癇癪・脱走は、小学校低学年でほぼなくなった
- ✅ IQ85→113の変化は、環境・関わり・体験の積み重ねから
- ✅ 小6のバスケとの出会いが、今の部活・友達関係につながっている
- ✅ 中学2年の今も「主語がない・動画を見せてくる」は変わらない。特性は消えない
- ✅ 変わったのは「特性への対処力」と「好きなことが見つかったこと」
- ✅「待つ・好きを潰さない・聞き続ける」が親として一番続けてきたこと
ASDの子は「成長しない」のではなく、「成長のペースが独特」なんだと思います。幼児期に一番しんどかった次男が、今は自分のペースで中学生活を送っています。完璧ではないけれど、それで十分。同じように「この先どうなるんだろう」と不安を感じているお母さんに、届いていたら嬉しいです。

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