ADHDの子の忘れ物がなくならない理由|「してないよ」と答える子の頭の中と、親ができること

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📌 この記事でわかること

  • ADHDの子が忘れ物を「気にしない」のは性格じゃなく脳の特性
  • 「してないよ」と答える子どもの頭の中で何が起きているか
  • 何度言っても変わらない子に、親がしてあげられること

※本記事にはPRが含まれます

「忘れ物した?」

「最近はしてないよ」

……本当に?😶

うちの長男(ADHD不注意優勢型・現在高専2年)はずっとこうでした。忘れ物をしても重大に受け止めない。聞いても「してない」と答える。覚えていないから、嘘をついているわけでもない。

でも困っているのはこっちだけで、本人はけろっとしている。

「なんでそんなに気にならないの?」と何度思ったかわかりません。

😵 長男の「忘れ物あるある」——実際こんなことがありました

毎週のように体操服を忘れ、着替えられないまま体育に参加する。夏休みの宿題は存在自体を忘れる。提出物はいつのまにか机の引き出しで眠っている。

一番びっくりしたのは、連絡袋の底から3ヶ月前の書類が折れた状態で出てきたこと。「これ、いつのやつ?」と聞くと「知らない」と言われました。

先生から連絡が来るたびに謝って、また同じことが起きて、また謝って。その繰り返しの中で、「私がもっとちゃんと確認してあげれば防げたのに」という罪悪感と、「でも何歳まで親が全部管理するの?」という迷いが交互にきていました。

「宿題やった?」「持ち物は?」と聞くたびに「やった」「ある」と答える。でも実際には手をつけていない、入れていない——これが何年も続きました。嘘をついているつもりはないんだと思います。聞かれた瞬間、頭の中に「やった(気がする)」という感覚だけがある。それを正直に答えているだけで。

😶 忘れ物しても「困ってない」のはなぜ?

ADHDの不注意優勢型の子は、忘れ物の頻度が高いだけでなく、忘れ物をした記憶があっても必要なときに自分でその記憶を取り出すことが難しいという特性があります。

なぜかというと、ADHDの脳は「今この瞬間」に意識が向きやすく、過去のことを振り返る作業が苦手だから。

「今日忘れ物した?」と聞かれても、その瞬間の記憶にアクセスするのがうまくできない。だから「してないよ」と答えてしまう。嘘でもごまかしでもなく、本当にそう思っているんです。

⭐️ここが大事!

「忘れたことを覚えていない」のは、ADHDのワーキングメモリの弱さが関係しています。短期的な情報を保持する力が弱く、忘れ物をした記憶自体が定着しにくいんです。

📋 ADHDの子の忘れ物、3つの特性

① 「まあいいか」思考になりやすい

ADHDの脳は、問題が目の前に起きていないと危機感を持ちにくい特性があります。教科書を忘れたことで先生に怒られる、友達に借りる……それが済んでしまえば、もうその出来事は「終わった話」になります。

長男も同じで、忘れ物でその場を乗り切ってしまうと、次に同じ失敗を防ごうという発想が生まれにくい。先生に借りる、友達に助けてもらう——それ自体は問題解決なのですが、「次は自分で準備しよう」という学びにはつながりにくいのが難しいところです。

② 先を見越した準備が極端に苦手

「明日の授業は何があるか確認して、前日に準備する」——これは複数のステップを時系列で頭の中に並べる作業です。ADHDの特性として、この計画的な見通しを立てることがとても難しい。

次男(ASD)も同じように先回り準備が苦手ですが、理由は少し違います。次男の場合は「変化への対応」が苦手なため。長男の場合は「今以外のことへの注意が向かない」から。原因が違うのに、結果は同じ「準備できない」になる——これが発達障害育児の複雑なところです。

小学生のうちは「一緒に時間割を見ながら前日に準備する」ことで、忘れ物の頻度がぐっと減りました。ポイントは「自分でやらせる」より「一緒にやる」を長く続けること。ADHDの子は、この伴走期間が想像よりずっと長く必要なんだと実感しています。

③ 怒られても「次」につながりにくい

「何度言っても変わらない」とよく言われますが、これはわざとではありません。ADHDの脳は経験から学ぶ回路が弱いとされています。叱られた嫌な気持ちは感じても、「だから次は気をつけよう」という行動変容につながりにくいんです。

私が叱ることをやめたのも、叱っても変わらないからではなく、叱ることで「怒られた」という嫌な感情だけが積み重なって、自己肯定感が下がっていくのを見たからです。それに気づいてから、関わり方を少しずつ変えていきました。

💡 親がやってよかった工夫

長男の忘れ物は「なくした」というより「なくならなかった」に近いです。でも、仕組みで補うことで、私のストレスはかなり減りました。

✅ 本人に任せず、出す場所を固定する

ランドセル・教科書・体操服の置き場所を「ここ以外はNG」にする。頭で考えなくても手が動く状態を作ること。

✅ 前日チェックは「一緒に」やる期間を長くとる

「自分でできるでしょ」と思いたくなりますが、ADHDの子には伴走期間が長く必要。一緒に時間割を見ながら確認する習慣が、やがて自分でやる土台になります。

✅ 「なんで忘れたの」より「次どうする?」を口癖に

原因追及より、次への対策に切り替える言葉を意識しました。「なんで忘れたの?」と聞いても本人も答えられないし、責められた感覚だけが残る。「じゃあ次はどこに置く?」「何時に確認する?」という聞き方にしてから、少しずつ子ども自身が考えるようになってきました。

✅ 忘れ物を責めない

これが一番難しくて、一番大事でした。責めても記憶には残らない。でも「怒られた」という嫌な感情だけが積み重なって、自己肯定感が下がっていく。長男に対しては「どうしたら忘れないか」を一緒に考えるスタンスに切り替えてから、関係が少し楽になりました。

🎓 高専生になって気づいたこと——「忘れ物ゼロ」より大事なもの

今、長男は高専の寮に入って2年目です。入寮したとき、正直「大丈夫かな」と思っていました。誰も毎朝起こしてくれない。先生も逐一フォローしてくれない。

でも意外にも、入寮当初は自分で起きて、朝ごはんを食べて、遅刻せずに過ごしていました。母としては驚きでした。

忘れ物は今も続いています。ただ、「自分で困る」経験が積み重なってきたことで、少しずつ自分なりの対処法を身につけてきているようです。完璧ではないけれど、親の目が届かない場所で折り合いをつけている。

そこで気づいたのは、「忘れ物をゼロにすること」が目標じゃなかったんだということ。忘れても誰かに借りる。困ったら相談する。立て直せる力——そっちの方が、社会に出てからは必要だったんだと。

長い道のりでしたが、今では「忘れ物があっても、この子なりにやっていける」と思えるようになりました。

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✅ まとめ

❌ 忘れ物が多い=だらしない・やる気がない
✅ 忘れたこと自体が記憶に残りにくい脳の特性がある

❌ 何度言っても変わらない=反省していない
✅ 経験から学ぶ回路が弱いだけ。責めても変わらない

❌ 「自分で気をつけさせる」が正解
✅ 仕組みで補う・伴走する期間を長くとるのが近道

「してないよ」と答える子の頭の中は、責められているわけでも、ごまかしているわけでもない。ただ、記憶の仕組みが少し違うだけ。

そう思えてから、私は少し肩の力が抜けました。同じ気持ちで悩んでいるお母さんに、この記事が届いていたら嬉しいです。

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