📌 この記事でわかること
- 発達障害の子の「不安の強さ」は性格でも甘えでもなく、脳の特性の話
- 不安が「腹痛・パニック・癇癪」として出てくる理由
- 「大丈夫だよ」が逆効果になるケースと、代わりに効いたこと
- 次男(ASD)の不安が、小学校低学年で落ち着くまでの記録
毎朝、学校に行く前になるとお腹が痛くなる。
「また今日も…」とため息をつきながら、心のどこかで「仮病じゃないの?」と思ってしまう。
そんな経験、ありませんか。
私にもありました。
次男はASD(自閉スペクトラム症)。
幼い頃から不安が強く、ちょっとしたことでパニックになったり、癇癪を起こしたり。
外出先でのパニックは、見ているだけで胸が締め付けられるほどでした。
「なぜこんなに不安が強いのか」
「どうしたら楽になるのか」
正解がわからないまま、ずっと手探りでした。
でも今、次男は中学2年生。
あの頃と比べると、不安との付き合い方が少しずつ変わってきています。
今日は、その記録を書きたいと思います。
😣 「またお腹が痛い」——不安が身体に出ていた時期のこと
次男が小学校に入ってから、登校前になると決まってお腹の具合が悪くなる時期がありました。
検査をしても異常なし。
でも本人は「本当に痛い」と言う。
その頃の私は、正直なところ「また今日も…」と思ってしまっていました。
「仮病かもしれない」という疑いが頭をよぎることもあった。
でも、違ったんです。
あとから知ったのですが、発達障害の子は不安が「身体の症状」として出やすいんです。
頭痛・腹痛・吐き気・めまい——これらは「心が限界です」というサインだったんです。
「仮病」じゃなかった。
本当に痛かった。
ただ、痛みの原因が「不安」だった。
あのとき、もっと早く気づいてあげられたら——と今でも思います。
🧠 なぜ発達障害の子は「不安が強い」のか
「うちの子、なんでこんなに不安が強いんだろう」
その答えは、性格でも育て方でもなく、脳の特性にあります。
⭐️ ASDの子の場合:「見通し」が立たないことが最大の不安源
ASDの子は、「次に何が起きるか」がわからないことをとても怖く感じます。
「いつもと違う」「予定が変わった」「知らない場所に行く」——これだけで脳が「危険かもしれない」と警戒モードになってしまう。
さらに感覚過敏がある子は、音・光・人混みなど、周囲の刺激が常に「危険信号」として届いてきます。
私たちが「普通の日常」と感じている場所でも、その子にとっては常に緊張を強いられる環境なんです。
⭐️ ADHDの子の場合:失敗体験の積み重ねが不安を育てる
ADHDの子は、忘れ物・ミス・授業についていけない——そういった「失敗」を定型発達の子より多く経験します。
その積み重ねが「どうせまた失敗する」「自分はできない」という不安感につながっていきます。
「わかってるのにできない」という自己否定の繰り返しは、想像以上に子どもの心を削っています。
⭐️ 共通していること:不安の「言語化」が難しい
発達障害の子の多くは、「自分が今どんな気持ちか」を言葉にすることが苦手です。
だから「怖い」「不安」と言えずに、癇癪・パニック・身体症状という形で外に出てくる。
「なんで急に泣き出したの?」「なんで怒るの?」——その「なんで」の答えは、子ども自身も言葉にできないことが多いんです。
🚨 うちの子が出していたサイン
振り返ってみると、次男はずっとサインを出していました。
気づいてあげられなかった時期も含めて書きます。
📍 身体症状
登校前の腹痛。遠足の前日の頭痛。行事の前日の不眠。
「検査しても異常なし」のオンパレードでした。
📍 パニック・癇癪
電車の中で突然泣き出す。スーパーで走り出す。予定が変わると火がついたように泣きじゃくる。
幼い頃の次男は、こういうことが頻繁にありました。
周囲の目が刺さる中、ただ抱きしめながら「無」になって乗り切っていました。
📍 「行きたくない」「やりたくない」
習い事、遠足、学校のイベント——「やりたくない」の裏には、たいてい「怖い」「不安」がありました。
「サボりたいだけ」ではなかった。
📍 固まる・黙る
不安が強すぎると、逆に固まってしまうことも。
「なんで返事しないの!」と怒ってしまったことが何度あったか…。
❌ やってしまって逆効果だったこと
当時の私は、よかれと思ってやっていたことが、実は逆効果だったということが何度もありました。
❌ 「大丈夫だよ!」と言う
不安を感じている子どもに「大丈夫」と言うのは、「あなたの不安は間違っている」と伝えているようなもの。
子どもは「わかってもらえなかった」と感じ、不安はむしろ深まります。
❌ 「みんなもやってるよ」と比べる
他の子との比較は、自己肯定感をさらに下げます。
「みんなはできるのに、自分はダメだ」という気持ちを強化してしまう。
❌ 「なんで怖いの?」と理由を聞く
不安の言語化が苦手な子に「理由を言って」と求めると、言えない自分をさらに責めてしまいます。
「言えない=もっとダメ」という悪循環。
❌ 「早く立ち直りなさい」と急かす
パニックや癇癪のあと、気持ちが戻るまでに時間がかかります。
急かせば急かすほど、二次的な混乱が起きます。
✅ 効いたこと3つ
試行錯誤の末に、次男に「これは効く」と思えたことが3つあります。
⭐️ ① 「見通し」を先に伝える
ASDの子にとって、「次に何が起きるか」が見えることは最大の安心材料です。
「9時に出発して、10時に着いて、11時には終わるよ」
「今日の給食はカレーだって」
「明日は体育があるから体操服が要るよ」
細かすぎると思っても、先に教えてあげることで次男の緊張がほぐれるのがわかりました。
逆に、「当日いきなり知らされる」ことが一番不安を高める。
「そんな細かいことまで?」と思うかもしれません。
でも、細かければ細かいほど安心できる子なんです。
⭐️ ② 感情に「名前」をつけてあげる
自分の気持ちを言語化できない子には、こちらから言葉を差し出してあげることが助けになります。
「今、ドキドキしてる?」
「なんかザワザワする感じ?」
「怖い、っていう感じがあるのかな」
正解じゃなくていいんです。
「そうかも」と思ってもらえるだけで、子どもは「自分の気持ちに名前がついた」と少し楽になります。
次男が「怖い」「緊張する」と自分で言えるようになってきたのは、こういう積み重ねがあったからだと思っています。
⭐️ ③ 「逃げていい場所」を決めておく
不安が高まったとき、「ここに行けば大丈夫」という場所を作っておくことが大切です。
学校であれば保健室。家であれば自分の部屋の隅。
「逃げること」は「負け」じゃない。
「しんどくなったら保健室に行っていい」と学校と事前に話しておいたこともありました。
「逃げ場がある」とわかっているだけで、子どもは少し前に進めます。
🌱 成長とともに、変わっていったこと
正直に言うと、次男の不安は「なくなった」わけではありません。
でも、小学校低学年の頃を境に、あのすさまじい癇癪とパニックが少しずつ落ち着いていきました。
理由は一つじゃないと思います。
でも一番大きかったのは、「気持ちを言葉にできるようになった」こと。
「なんか嫌な感じがする」
「ドキドキする」
「やりたくない気持ちがある」
こういう言葉が出てくるようになってから、爆発することが減っていきました。
感情が言語化できる前は、ただただ「爆発」するしかなかった。
言葉になったとき、少し出口ができた。
今の次男(中学2年)は、不安を完全にコントロールはできないけれど、「自分が今緊張している」ということはわかるようになっています。
それだけでも、あの頃とは全然違う。
焦らなくていいんだ、と今は思えます。
あのとき必死だった自分にも、そう言ってあげたい。
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📝 まとめ
発達障害の子の「不安の強さ」は、甘えでも仮病でも育て方の失敗でもありません。
脳の特性として、不安を感じやすく、言葉にしにくい状態にある、ということです。
❌ 「大丈夫だよ」と即座に否定する
❌ 「なんで?」と理由を求める
❌ 他の子と比べる
❌ 早く立ち直らせようとする
⭕ 「見通し」を先に伝える
⭕ 感情に名前をつけてあげる
⭕ 「逃げていい場所」を作っておく
⭕ 言語化できるようになるのを、焦らず待つ
完璧にできなくていいんです。
私もたくさん間違えながら、たくさん後悔しながらここまで来ました。
不安の強いわが子を前に、どうしたらいいかわからなくて途方に暮れているお母さんに届いていたら嬉しいです☺️
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