📌 この記事でわかること
- 発達障害の子が「運動が苦手」と言われやすい理由——運動神経とは別の話
- 個人技は得意、チームプレイは苦手という特徴的なパターン
- 体操教室とバスケが、うちの2人を変えたエピソード
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発達障害の子は運動が苦手、というイメージがありますよね。
でも、うちの2人を見ていると、それは少し違うと感じています。
長男(ADHD)も次男(ASD)も、走るのは速いです。体が柔らかくて、握力もそこそこあります。運動神経そのものが悪いわけじゃない。
ただ——2人揃ってソフトボール投げは学年最下位クラスでした。体育の新体力テストで、投力だけが毎年ぽっかり抜け落ちていました。
今日は「発達障害の子と運動」について、うちの実際のエピソードをお話しします。
「運動神経が悪い」じゃなくて「苦手なパターンがある」
走る・跳ぶ・柔軟といった自分の体だけで完結する動きは、2人ともそれなりにできます。
でも、ボールを投げる・打つ・受け取るといった道具や相手との連携が必要な動きになった途端に、ぐっと苦手になります。
水泳も同じパターンでした。長男はバタ足はできるのに、息継ぎのタイミングがどうしても合わない。次男は手と足の動きがバラバラになって、泳ぎにならない。
⭐️「複数の動作を同時に・タイミングよく組み合わせる」ことが、発達障害の子には特に難しいことが多いです。運動神経の問題ではなく、脳内での情報処理や協調の問題です。
体操教室が2人を変えた
小学校のころ、2人を体操教室に通わせました。
ここで長男の「得意」が生まれました。跳び箱と鉄棒です。
体操教室は、動きをひとつずつ丁寧に分解して教えてくれます。「まず踏み切りの足の使い方」「次に手の着く場所」「最後に体を前に倒す感覚」——段階を踏んで、じっくり練習できる環境でした。
ADHDの子が苦手なのは「複数の指示を一度に処理すること」。体操教室の「一つずつ確認しながら進む」スタイルが、長男にぴったり合っていたんだと思います。
次男も跳び箱が得意になりました。そして小学6年生の体育の授業で、忘れられない出来事がありました。
跳び箱の単元。クラスで誰よりも体が小さい次男が、クラスの中で一番最初に7段を跳べたんです。
先生も驚いていたと、後から次男が嬉しそうに話してくれました。
次男には「することがわかっていれば度胸がある」という特性があります。やり方が頭に入っていたら、躊躇しない。むしろ「やると決めたらやる」という強さがある子です。跳び箱はその特性がプラスに出た場面でした。
球技には長い間、2人とも無関心だった
小学校のころ、周りの男の子が野球やサッカーを始めていく時期がありました。
うちの2人は「やりたい」と一言も言いませんでした。
長男は自分でよくわかっていたんだと思います。「チームプレイとルールが自分には無理」と。本人がそれを感じていたから、最初から選択肢に入っていなかった。
次男はまた違う理由でした。「ルールがわからないから、そもそも興味が持てなかった」という感じです。知らないから関心が湧かない。ASDの子らしいなと思います。
体育の球技の授業でも、長男は「隅っこで気配を消してやり過ごす」スタイルを確立していました。まったくできないわけではない、でも目立ちたくない。そのバランスで体育への苦手意識は持たずにやり過ごしていました。
バスケが次男を変えたきっかけ
転機は小学6年生の体育、バスケットボールの授業でした。
ルールがわからないまま、言われるがままにドリブルをしてみたら、思いのほかうまくできた。シュートも入った。
そのとき、クラスの中でも影響力のある子が次男を名指しで自分のチームに誘ってくれたんです。
それまで全く関わりがなかった男子グループと一緒に、バスケに夢中になった。帰ってきた次男の顔が、いつもと違いました。
⭐️ ASDの子は「やり方がわかれば突き進む」タイプが多いです。次男にとって、バスケは「個人技(ドリブル・シュート)から入れた」ことが大きかったと思います。いきなりチームプレイではなく、まず自分だけで完結できる技術から入れた。
中学でバスケ部に入った今も、チームプレイの場面では戸惑うことがあります。でも自分で動画を見て研究したり、友達にアドバイスをもらったりしながら続けています。
「好きだから、わからなくても続けられる」——それだけで十分だと思っています。
発達障害の子の「運動の得意・不得意」のパターン
うちの2人を見ていて気づいたパターンをまとめます。
得意になりやすいもの
繰り返し練習できる個人技(跳び箱・鉄棒・水泳の個別動作)、やり方が明確な動き、一人で完結できる動き
苦手になりやすいもの
複数の動作を同時にこなすこと(水泳の息継ぎ+手足の動き)、暗黙のルール・チームプレイ、道具を使った複合的な動き(投球など)
「運動神経が悪い」とひと括りにするよりも、「何が苦手でなぜ苦手か」を考えると、対策が見えてきます。
親としてできることは、「苦手を直させる」より「得意になれる環境を探すこと」だと思っています。発達障害の子は、苦手への参入障壁が高いだけで、合う場所が見つかれば一気に伸びることがあります。
球技が苦手だとわかっても、無理にチームスポーツに入れる必要はありません。まずは一人でじっくり取り組める場を見つけてあげること。うちにとっては体操教室がそれでした。個人技から入れたことで、2人とも「自分にも得意がある」という感覚を持てるようになりました。
「うちの子、運動が嫌いなのかな」と感じたら、まず「どんな動きならできそうか」を一緒に観察してみてください。苦手の理由がわかれば、入口を変えることができます。次男のバスケのように、きっかけひとつで「やりたい」に変わることがあります。
体操教室のように「一つずつ丁寧に分解して教えてくれる環境」は、発達障害の子の運動の得意を伸ばすのにとても合っていると感じています。
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まとめ
✅ 発達障害の子の「運動の苦手」は、運動神経ではなく情報処理・協調の問題が多い
✅ 個人技・反復練習・やり方が明確なものは得意になりやすい
✅ チームプレイ・複合的な動き・暗黙のルールが苦手になりやすい
✅ 「一つずつ丁寧に教えてくれる環境」が発達障害の子の運動の得意を伸ばす
「うちの子、運動神経が悪い」と感じているなら、少し角度を変えてみてください。苦手なのはどの動き?どんな状況?そこが見えてくると、得意への道筋も見えてきます。
うちの2人も、まだまだ苦手はたくさんあります。でも跳び箱で誰より早く7段を跳べた次男と、体育を「そつなくこなす」ようになった長男を見ていると、子どもの可能性は親が思う以上に広いなと感じています。
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