「ペアトレ」を知らなかった私が、ずっとやってきたこと——心理士さんと一緒に見つけた、わが家の関わり方

子どもの学習机の横で声かけする母(ペアトレ的な関わり) お母さんの気持ち

📌 この記事でわかること

  • 「ペアトレ」を知らずに実践していた、わが家の関わり方4つの核
  • 場所選び・得意づくり・声かけのチューニング・道具の活用の実例
  • 心理士さんに「具体的に」相談することの価値

※本記事にはPRが含まれます

「ペアレントトレーニング」、略してペアトレ。発達障害の子の親向けに、関わり方を学ぶプログラムのことだそうです。

本音を言うと、私はこの言葉を、最近まで知りませんでした。

知って、調べて、驚きました。書いてあることの多くを、私はもうやっていたからです。心理士さんに具体的に相談しながら、生活の中で、自己流で積み重ねてきたこと。それに名前がついていた。ADHDの長男とASDの次男を育てた10年あまりの試行錯誤は、どうやら「ペアトレ的な何か」だったようなのです。

この記事では、名前も知らずにやってきた、わが家の関わり方の「核」を4つ、まとめてみます。

👀 核① 場所は、自分の目で見て選ぶ

ひとつめは、支援や学びの場所を、必ず自分の目で見てから決めることです。

塾も、放課後等デイサービスも、わが家は全部、実際に見学に行きました。問い合わせの段階で、まず見学。電話やパンフレットだけで決めたことは、ありません。

特に放課後デイは、見に行ってよかったと思っています。最初、私は立地で選ぼうとしていました。近いから、送迎が楽だから。でも実際に回ってみると、施設によって、対応も内容もまったく違ったんです。同じ「放課後デイ」という看板でも、中身は別物でした。

忘れられないのは、発達に強いと評判の学習の場を見学したときのこと。実際に行って話を聞いたら、指導する側の知識が思いのほか薄く、見学した内容も、学習と呼べるものではありませんでした。看板と中身が違うところは、ある。あれを見ずに通わせていたらと思うと、今でもぞっとします。

学校の先生や医師は「一度行ってみたら?」と勧めてくれます。それ自体はありがたい。でも、勧められた場所がわが子に有効かどうかは、親が自分の目で確かめるしかない。それが、私の結論です。えらそうに書きましたが、塾選びでは見切れずに、無駄な時間とお金を使い続けた反省もあります。だからこそ、言えることでもあるんです。

💪 核② 「得意」を作って、自信の土台にする

ふたつめは、「これなら得意」を、意図して作ることです。

発達の子は、集団の中で「できない」を数えられがちです。放っておくと、自信がすり減っていく。だからわが家は、すり減るのを待つのではなく、先回りして「得意」を仕込みました。

算数を得意にする。九九を先取りする。漢検を受ける。タッチタイピングを覚える。選んだのは、努力が形になって見えやすいものばかりです。合格証や「クラスで一番早い」は、子どもにとって分かりやすい勲章になる。

ひとつでも「これなら負けない」があると、子どもは踏ん張れます。苦手を平均点に近づける努力より、得意をひとつ尖らせるほうが、うちの子たちには効きました。

🎚️ 核③ 日常の関わりを、その子に合わせてチューニングする

みっつめは、声のかけ方そのものを、その子仕様に調整することです。

長男には、家では”ちゃん付け”で呼んで、口調を意識して優しくしています。時々、わざと幼児言葉を混ぜることも。ふざけているようですが、これには理由があって——キツく言ったつもりのない普通の注意まで、長男の反発のネタになっていた時期があったんです。呼び方と口調をやわらかくしたら、それが回避できた。思春期の男の子への幼児言葉なんて、育児書には載っていないと思います。でも、うちでは効きました。

次男には、冗談8割の会話。まじめな話ばかりだと、あの子には届きません。笑わせながら、でも大事なポイントだけは、トーンを変えてしっかり伝える。8割ふざけて、2割本気。この配合が、次男とのちょうどいい周波数でした。

ふたりに共通してやってきたのは、ボディタッチを多めにすること。思いついたときに「大好き」と言うこと(言い合うこと)。よく話を聞くこと。そして、常にハードルは低く、過度な期待をしないこと。期待値を下げるのは、あきらめではありません。低いハードルは、たくさん越えられる。越えた回数だけ、褒める機会が増える。そういう仕組みです。

もうひとつ、幼児期の次男は机に向かうこと自体を嫌がりました。そこで心理士さんに相談して試したのが、母の膝に乗せてしまうという方法です。机の前に座らせるのではなく、抱えたまま一緒に見る。それだけで、あんなに嫌がっていたのが嘘みたいに始められるようになりました。やる気の問題ではなく、姿勢と距離の問題だったんだと思います。

⏳ 核④ 道具の力を、遠慮なく借りる

よっつめは、道具です。これは心理士さんに教えてもらったことが多い分野でした。

タイムタイマー、砂時計、壁の張り紙、忘れ物バンド。声かけだけで動かせようとせず、目に見える道具に働いてもらう。親が10回言うより、砂時計がひと落ちするほうが伝わる場面は、たくさんありました。

道具というより知恵ですが、こんなこともありました。幼児期の次男は学習を嫌がって、机につくことすらできなかった。困って相談して、たどり着いたのが「私の膝に乗せる」。膝の上なら、あの子は喜んで始められたんです。教材でも教室でもなく、母の膝が解決策。こういう小さな工夫の積み重ねが、わが家のペアトレだったんだと思います。

📱 「教える」を、親が抱えこまない

関わり方を工夫しても、勉強だけは親が教えるとぶつかる——うちはそこが最後まで残りました。感情が入るぶん、親子だと難しい場面があります。

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🌱 名前を知らなくても、あなたもやっているかもしれない

ペアトレという言葉を知らなかった私が、それでも実践できていたのは、ひとりでやっていなかったからです。

心理士さんに、具体的に相談する。「困っています」ではなく、「机につかないんです、どうしたら」と場面で聞く。すると、場面に効く答えが返ってくる。それを家で試して、効いたものが残っていく。この繰り返しが、振り返ればトレーニングになっていました。

だから、講座を受けていなくても、本を読破していなくても、大丈夫。わが子を観察して、試して、専門家に聞いて、また試す。それをしているなら、あなたももう、ペアトレ的な何かの実践者だと思います。名前は、あとからついてくるくらいでちょうどいい。

⭐ここが大事!

ペアトレの講座に通わなくても、やっていることは同じかもしれません。場所は自分の目で見て選ぶ/得意を作って自信の土台にする/その子に合わせて呼び方や口調を変える/道具の力を借りる。専門家に相談しながら生活の中で試していけば、それはもう立派な親のトレーニングです。

🌸 完璧じゃなくていい

4つの核、と整理して書きましたが、実際の日々は、こんなにきれいではありませんでした。失敗した工夫は数知れず、イライラして台無しにした日もたくさんあります。

それでも、心理士さんと一緒に、ひとつずつ見つけてきた。効かなかったら捨てて、効いたものだけ残してきた。その寄せ集めが、いま振り返ると、わが家だけの取扱説明書になっています。

関わり方に迷っているお母さんへ。立派なプログラムから始めなくていいんです。今日、目の前のわが子に効いたことをひとつ、覚えておく。明日もそれを試してみる。わが家の10年は、その繰り返しでできています。

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