ASDの中学生が勉強を続けられない理由——WISCでわかった特性と、次男が週1・1時間だけ続けている話

ADHD長男の記録

📌 この記事でわかること

  • ASDの中学生が勉強を続けられない「特性的な理由」
  • WISCの結果からわかった次男の苦手——処理速度と同時処理の困難
  • 集団塾・個別塾と失敗を重ねて、「週1・1時間」にたどり着くまでの話
  • 「続けさせる」より「嫌いにさせない」が長期的に正解だった理由

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「また勉強しない。少し前まではやってたのに……」

ASDの子を持つ親なら、この繰り返しに何度も直面するんじゃないかと思います。うちの次男(ASD・中学2年)も、中学に入ってから勉強が続かなくなりました。

塾に入れても意味がなかった。家で声をかけてもやらない。「なんでこんなに続かないんだろう」とずっと思っていました。

でも次男のWISC検査の結果を振り返ったとき、「ああ、これが理由か」と腑に落ちることがありました。続かないのは意志の問題じゃなく、脳の特性の話だったんです。

ASDの子が「勉強が続かない」理由——特性から考える

ASDの特性のひとつに「見通しを立てることの難しさ」があります。

「今日の分をやれば終わり」「テストまであと5日で、毎日ここまでやれば間に合う」——こういった時間的な見通しを自分でイメージして行動に移すことが、ASDの子にはとても難しい。

さらに、興味のない科目への取り組みは別の壁があります。ASDの子は「好きなことには驚くほど集中できる。でも興味がないことは極端に続かない」という特性があります。次男がバスケは毎日練習できるのに、英単語は5分で集中が切れる——そのギャップは、やる気の問題ではありません。

⭐️ ここが大事!「続けようとしない」のではなく、「続けるための脳の仕組みが違う」。ここを理解するだけで、親の声かけが変わります。

WISCの結果が教えてくれたこと——次男の「処理速度」と「同時処理の苦手さ」

次男は小学5年のときWISCを受け、全検査IQは113(小1のときの85から大きく伸びました)。でも4つの指標の中で、処理速度(99)だけが他より低いままでした。

処理速度とは「視覚情報を素早く正確に処理する力」のこと。この指標が低めだと、こういうことが起きやすいです。

❌ 板書を写し終わらないうちに次の話題に進んでしまう
❌ テスト中、時間内に終わらない
❌ 「早くやって」と言われるほど頭が真っ白になる
❌ 複数のことを同時にこなすと疲弊する

検査報告書には「継次的思考が得意、同時処理は苦手」とも書かれていました。「継次的思考」とは、A→B→Cと順を追って処理するスタイルのこと。複数の科目を「今日中に全部やる」は、次男にとってとても負荷が高いんです。

また、「最初に焦りやすい」という記述もありました。初めての問題集や、難しいとわかっている単元に向かうとき、スタート時点でフリーズしやすい。だから「まず1問だけ」「最初はわからなくて当たり前だよ」という声かけが効きます。

このWISCの結果を知ってから、次男の「続かなさ」がずいぶん腑に落ちました。継続の問題ではなく、1回の負荷が大きすぎることの問題だったんです。

集団塾→個別塾→家庭教師——失敗の記録

次男の勉強サポートは、失敗の連続でした。正直に言うと、当初は「塾に入れれば解決する」と思っていました。

小4・集団塾(英語):即退塾
最初に入れたのは大手の集団英語塾。入会前に、次男のASDの特性をかなり詳しく塾長に説明しました。不安を正直に伝えたつもりでした。「大丈夫です。しっかり見ていきます」と塾長は請け負ってくれました。

ただ、この塾は授業見学が禁止でした。だから中で何が起きているかが見えない。「先生が言ってくれてるし、大丈夫だろう」と信じていました。

入塾から3ヶ月後、たまたま面談の部屋に向かう途中、教室の前を通ったときにのぞいた。そこで愕然としました。クラスのほかの子たちがどんどん進む中、次男だけが完全に置いていかれていた。どこをやっているかすら追えていない様子でした。

すぐにやめることを決めました。「大丈夫と言ってくれたのに」という思いよりも、「3ヶ月も気づいてあげられなかった」という後悔の方が大きかった。この経験が「英語=ついていけないもの」という苦手意識を次男に植えつけてしまいました。

小6〜中1・個別指導塾:担当の先生との相性問題
次に選んだのは個別指導塾。1対1ならいけると思っていました。でも中1の3学期に担当の先生と直接面談する機会を作ったとき、私の質問に先生は答えられず塾長を見上げて助けを求める様子でした。
次男に授業の話をきくと「先生、ちいかわの話ばっかりするよ。面白い」と。先生のことは嫌いではない。でも「勉強が進んでいる」という実感がなかった。
私から「次男の意欲が落ちてきているので」と口実をつけて休会を申し出ました。波風を立てずに、静かに次の手を考えました。

⭐️ ここが大事!「やめる」判断をするとき、子どもの「楽しそう」と「伸びている」は別で考えることが必要でした。楽しくても伸びていなければ意味がない。

「週1・1時間が限界」——今の形にたどり着くまで

塾を休会したあと、いろいろ考えました。次男には「塾的なものをそれ以上受け入れられない」という明確なラインがある。そのラインを超えると全部嫌いになる。

中2の4月から始めたのが、大学生の家庭教師(5歳年上の同性)です。英語のみ週1・1時間。

これが今も続いています。

家庭教師と次男のリラックスした時間

なぜ続くかというと——
✅ 毎回先生が来るたびに私に進捗を報告してくれる(現場が見える)
✅ 先生の挨拶がきちんとしていて次男が「この人なら大丈夫」と思えた
✅ 量が少ない。次男が「これならできる」と感じている
✅ テスト前だけ「少し増やそうか」と声をかけると渋々でも応じてくれる

週1・1時間は、はた目には「少なすぎる」と思われるかもしれません。でも次男にとっての「続けられる量」です。
継次的思考が得意な次男は、複数科目を一度に抱えるより「英語だけ、週1回、1時間」と明確に区切った方が動きやすい。WISCの結果と、次男の性質が一致していました。

ノートと鉛筆——1つずつ進める

「続けさせる」より「嫌いにさせない」が正解だった

ASDの子の勉強で、私が一番学んだことはこれです。

勉強を「続けさせよう」とすると失敗する。「嫌いにさせない」を最優先にすると長続きする。

次男が英語を嫌いになった一番の原因は、小4で入れた集団塾でした。本人のレベルに合わない環境に置いたことで、「英語=できないもの」という感覚が根づいてしまった。

今は「英語は嫌いじゃない」で中学2年を乗り越えています。完璧じゃない。毎回やる気満々でもない。でも「嫌いになっていない」——それだけで十分だと今は思っています。

処理速度が低め・同時処理が苦手という特性がある子には、「多くやらせる」ことよりも「少量でも確実に積み上げる」形が合っています。焦って量を増やすと、すべてが崩れる。それを次男が教えてくれました。

WISCの結果が「この子はじっくりと一つずつ」と教えてくれていた。そこに向き合えたのが、今の形につながっています。

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まとめ

  • ❌「続けようとしない」のではなく「続けるための脳の仕組みが違う」
  • ✅ ASDの継次的思考・処理速度の低さが「量が増えると続かない」原因に直結している
  • ✅ WISCの結果が「この子はじっくり一つずつ」と具体的に教えてくれた
  • ❌ 集団塾・レベルの合わない環境は「嫌い」を作るリスクがある
  • ✅ 次男の「週1・1時間」は少なく見えても、嫌いにさせないための適量だった
  • ✅「続けさせる」より「嫌いにさせない」が、ASDの子の勉強の長期戦略

同じように「うちの子、何をやっても続かない」と感じているお母さんへ。それは意志の問題でも、育て方の問題でもないかもしれません。「その子の続けられる量と形」があるだけです。焦らず、その形を一緒に探していけたら嬉しいです。

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