📌 この記事でわかること
- 「うちも同じ」という共感の裏に感じていたズレの正体
- 特性あり・なしに関係なく、子育ての困りごとの「種類」は似ている
- 発達障害の育て方が、すべての子育てに使えると思う理由
※本記事にはPRが含まれます
「うちも同じやで」に半笑いしていた、あの頃の私
公園で「うちも同じやで」と言われるたびに、半笑いになっていた。
長男が小学生のころ。
朝の支度がまったく進まない。
次男はいつの間にかいなくなってる。
呼んでも返事がない。
ほかのお母さんに愚痴ると、「あーうちもやで、男の子ってほんとあかんよなあ」と共感してくれる。
ありがたい。うれしい。
でも毎回、心の中でひとつだけ引っかかるものがあった。
……でも、うちは発達障害だから、ちょっとレベルが違うんだよな。
その「でも」を飲み込んで、「だよね!」と笑っていた日々の話をします。
内心「発達障害だからレベルが違う」と思っていた
次男のいなくなり方は、目を離した数秒でスーパーの外まで出ていくレベルだった。
手を引いていても振りほどいて走り出す。
会計の一瞬の隙に消える。
公園でトイレに行って戻ってきたら、どこにもいない。
何度、近所中を探し回ったかわからない。
長男の朝の動けなさも、「のんびりしてるだけ」じゃなかった。
声をかけても、時計を見せても、玄関まで連れて行っても、体が動かない。
本人も困っているのに、どうにもならない。
「男の子ってそんなもんやで」と言われるたびに、「うん、そうだね」と相槌を打ちながら、でも内心「ちょっと違う気がする」と思っていた。
責めていたわけじゃない。
比べたかったわけでもない。
ただ、少しだけ孤独だった。
子どもたちが育って、余裕ができてわかったこと
長男は高専生、次男は中学生になった今、あの頃のことをようやく少し客観的に見られるようになってきた。
同じ時期に子育てをしていたお母さんたちの話を聞く機会が増えて、気づいたことがある。
「特性がない」と思っていたお子さんでも、大きくなるにつれて困りごとが増した子がいる。
逆に、診断があっても、驚くほど育てやすかったという話も聞く。
そして何より気づいたのが、「困りごとの種類」は、特性のあるなしに関わらず、かなり似ているということ。
程度は全然違う。
でも種類は、思っていたよりずっと近かった。
困りごとの「種類」は、どの家も思ったより似ている

朝の支度ができない。
話を聞いていない。
片付けが苦手。
気持ちの切り替えが遅い。
友達関係でトラブルになる。
衝動的に動いて止まれない。
こういう「種類」の困りごと、特性のある子の専売特許かと思っていたけど、そうじゃなかった。
診断のない子のお母さんからも、まったく同じ悩みを聞くことがある。
「うちも片付けられなくて」「うちも朝が戦争で」「うちもすぐ泣いて」
あの頃の「うちも同じ」が、全部嘘じゃなかったんだ。
種類は似ていた。
ただ、うちの場合は程度が大きかった。
その2つを、ごちゃ混ぜにして「レベルが違う」と思っていただけで。
程度の差は「特性の有無」より「子ども個人の差」だった
発達障害の診断がある子の中でも、ほとんど手がかからないという子がいる。
一方で、診断はないのに親が疲弊しきっている家もある。
これを見ていると、「特性ありかどうか」で線引きすることにあまり意味がないんじゃないかと思えてくる。
子育ての大変さって、その子の気質・環境・親との相性・その年齢ならではの課題……いろんな要素が重なって決まるもので、「障害があるから大変」「ないから楽」とは単純に言えない。
私が「レベルが違う」と感じていたのは本当だった。
次男の脱走の危険度も、長男の動けなさの強度も、たしかに高かった。
でも「私の困りごとの方が大変だった」ということと、「あなたの困りごととは種類が違う」ということは、別の話だった。
そこをずっと混同していたんだと思う。
発達障害の育て方は、全部の子育てに使える
発達障害の子育てで有効とされている対応って、たとえばこんなことだ。
✅ 指示は短く、一度にひとつ
→「片付けて、着替えて、朝ごはん食べて」は3つの指示。「まず着替えよ」だけで動ける子が増える。
✅ 視覚でスケジュールを見せる
→「8時に出る」より、ホワイトボードに書いた順番の方が伝わる。
✅ できたことをその場で認める
→「早く次やって」じゃなく、「着替えできたね」と一回止まる。
✅ 怒鳴っても効果がない。待つ方が早い
→これ、発達障害の子で学んだ最大の教訓だった。
これ、特性のある子だけに有効な方法じゃないと思っている。
子育て全体に使える知恵だ。
なのに「発達障害の育て方」というラベルがつくだけで、「うちには関係ない」と手に取られない。もったいないな、といつも思う。
発達障害のある子を育てながら身につけた接し方は、意外とどんな子にも通じる。
育児書の「特別支援の章」じゃなくて、「子育ての基本」の章に入れていいんじゃないかと、本気で思っている。
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「指示は短く」「できたことを認める」など、発達障害の育て方のエッセンスが凝縮された一冊。特性のある子はもちろん、すべての子育てに使えると話題の本です。
📖 あわせて読みたい
発達障害の親として蓄積してきた知恵を、誰かのために
発達障害の子を持つ親は、否応なしに「子どもの特性に合わせた対応」を学ぶことになる。
支援の専門家に聞きに行って、本を読んで、試してうまくいかなくて、また試して。
誰かに教えてもらわなくても、子どもを育てながら自然と身についていくことがある。
それってすごいことなんだけど、どこか「うちだけの特殊事情」として抱え込んでしまいがちだ。
でもその知恵は、普通の育児書には載っていないことが多い。
「短い指示で動く」「視覚でスケジュールを示す」「できたことをすぐ認める」——これらは、発達障害の専門書には書いてあっても、一般の育児書には薄い。
なのに効果がある。診断のある子にも、ない子にも。
私たちが必死に身につけてきたことが、もっと広く「育児の知恵」として共有されたらいいのに、といつも思う。
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まとめ:あの頃の私に伝えたいこと
もしあの頃の私に声をかけられるなら、こう言いたい。
「共感してくれていたお母さんたちを、もう少し信じてよかったよ」
程度は違う。でも困りごとの種類は似ていた。
その「似ている」の部分は、本物だった。
そして発達障害の子を育てながら必死に学んできたことは、「みんなに使える育児の知恵」だったりする。
それを知ったとき、あの頃の孤独が少し溶けた気がした。
発達障害の育て方は、特別な子のためだけにあるんじゃない。
すべての子育てを、少し楽にする可能性を持っている。
同じように感じてきたお母さんに、届いていたら嬉しいです。
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