発達障害と知能の話題において、よく取り上げられるのが「IQ(知能指数)」です。
「IQが低いから発達障害なの?」「生活を整えたらIQが上がるって本当?」など、不安や疑問を抱く保護者の方は多いと思います。
実際、我が家の次男は小学校の数年でIQが84→113に変化しました!
この記事では、IQ検査の種類や受け方、発達障害と知能の関係、IQが上がる可能性について、わかりやすく説明します。
⭐️IQとは何か?|発達障害との関係
IQ(知能指数)は、知的な力の目安を示す数値です。
一般的にIQ100が「平均」とされ、以下のように分類されます。
- IQ70未満:知的障害(知的発達症)の可能性あり
- IQ71~84:境界知能(グレーゾーン)
- IQ85~115:平均域
- IQ116以上:平均以上、高知能
発達障害のある子どもは、このIQが「平均~高い」こともあれば、「平均より低い」場合もあります。
つまり、発達障害=IQが低いわけではないということです。
ただし、発達障害と知的障害が併存している場合(例:自閉スペクトラム症+知的障害など)は、支援や進路の選択に大きく影響します。
⭐️IQ検査の種類|どんな検査をするの?
主に発達障害の診断や特性の理解に使われるIQ検査は、以下の2つです。
1. WISC(ウィスク)
対象:5歳~16歳11ヶ月
正式名称:WISC-ⅣまたはWISC-V(最新版)
WISCは、以下の5つの指標から総合IQを算出します。
- 言語理解(VCI):語彙・言葉の意味の理解
- 知覚推理(PRI):目で見て考える力(パズルや図形)
- ワーキングメモリ(WMI):短期記憶・計算力
- 処理速度(PSI):スピードや手先の素早さ
- 全検査IQ(FSIQ):全体の平均スコア
→ 子どもの得意・苦手が具体的にわかり、支援方法のヒントになります。
2. 田中ビネー式
対象:2歳~成人まで
知能年齢(精神年齢)を元にIQを算出します。
使いやすさ・所要時間の面で医療機関や保育園などでも利用されています。
ただし、WISCに比べて細かい特性までは把握しづらいです。
⭐️IQ検査を受けるには?手順と流れ
IQ検査は、医療機関や教育センターなどで受けられます。
以下のような流れです。
【STEP1】相談機関にアクセス
- 発達相談窓口(市区町村の子育て支援課)
- 児童発達支援センター
- 発達専門の小児精神科
- 臨床心理士や公認心理士がいる医療機関
まずは気になることを伝え、受検の必要性を相談しましょう。
【STEP2】心理検査の予約・実施
- 検査に1~2時間かかる場合が多いです。
- 遊びや会話を交えながら、本人の緊張をほぐす工夫がされます。
- 結果が出るまで1~2週間程度かかります。
【STEP3】フィードバックと支援への活用
検査結果は、IQの数値だけでなく、**「どこが得意でどこが困りやすいか」**という視点で説明されます。
例えば:
- 処理速度が低く、テストの時間内に間に合わない
- ワーキングメモリが弱く、指示を忘れやすい
- 言語理解は高く、抽象的な考え方は得意
このような情報をもとに、学校での配慮や家庭での接し方が変わります。
⭐️IQは上がるの?生活を整えたら変化するのか
結論から言うと、IQは「固定された才能」ではありません。
発達障害のある子どもでも、環境や経験、支援の質によってIQが上がることはあります。
上がりやすい理由としては…
- 生活習慣の改善(睡眠・栄養・安心できる環境)
- 自己肯定感の向上(失敗しない場、褒められる体験)
- 適切な学習支援(本人の特性に合わせたやり方)
- 脳の発達のタイミングと重なることも
実際の例:
たとえば、WISC検査を小学2年時に実施し「IQ70台(境界域)」だった子が、
数年後に再検査で「IQ90前後(平均)」まで上がるケースもあります。
その背景には…
- 学校での合理的配慮
- 家庭での声かけの変化
- 苦手より得意を伸ばす視点
などが関わっていることが多いです。
⭐️まとめ|IQよりも「困り感」に注目しよう
IQは、発達のひとつの指標ではありますが、それだけで子どもを評価するべきではありません。
本当に大切なのは:
- 今、何が「できなくて」困っているのか
- どんなサポートがあると「できる」に変わるのか
- 子ども自身が「自分でいい」と思えるかどうか
IQの数値に一喜一憂せず、「その子らしさ」と向き合って過ごせば良いと思います。
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