❤️発達障害のある長男が高専に進学して感じた「発達にやさしい学校」(長男)2

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後編|高専での生活が始まって

〜思春期で崩れた日々から、希望の再スタート〜


中学時代、思春期を迎えた長男の生活はまさに“カオス”でした。

昼夜逆転、水分拒否、衣類の過敏、トイレに数時間こもり続ける…。
学校へは通っていても、家庭内では支援の糸口が見えず、どこからどう整えていけばいいのか分からない、そんな日々が2年近く続きました。

しかし、高専への進学を希望し、入学を果たした長男。
その直後から、まるで別人のように生活が整いはじめたのです。


1. あっという間に整った生活リズム

高専入学と同時に寮生活が始まった長男。
中学時代とは異なり、親の声かけや支援がなくても、生活リズムが自然と整っていきました。

・毎朝決まった時間に起床
・部屋着から私服に着替え、朝食を食堂でとる
・授業に向かって出発
・必要な水分も適度にとれるように

驚いたのは、これらが**“本人の努力”というより“寮という環境の力”によって実現した**ということです。

誰かに指導されたわけでも、強く言い聞かせたわけでもなく、周囲の生活サイクルに乗っていくことで、自然と改善していきました。

あれほどまでに衣類への過敏が強く、冬でも上着を着ずにカッターシャツ1枚、夏でも長袖で汗だく…という状態だったのが、今では普通にトレーナーにズボン(同じデザインのものの繰り返しですが・・)で快適に過ごしています。

思春期に入って以降、親の声かけには一切耳を貸さなかった長男が、環境が変わったことで自らの生活を整えていった
これは、親として本当に驚き、そしてホッとした瞬間でした。


2. 学業面の心配は続くが、支援は得やすい

一方で、学業面には継続した不安があります。

長男はおそらく「入試成績ギリギリで合格したのでは?」と感じるくらい、学力面には課題が残った状態での進学でした。

高専は「成績=評価」という明確なシステムで動いており、60点未満は赤点、複数赤点があれば留年や退学もあり得るという厳しいルールがあります。

しかし、厳しさがある一方で、「必要な支援は相談すれば受けられる」という柔軟さもあるのが高専の良さだと感じています。

・苦手な科目について教員に相談しやすい雰囲気
・同級生や先輩との学習の場が多く、助け合える
・テスト前には「全体で勉強モード」に入る空気ができる
・心理士によるカウンセリングが週1で受けられる(予約制)

特にカウンセリングは、中学時代に通級の先生に支えられていた長男にとって、とても心強いものでした。

入学直後から毎週1回、心理士の先生との面談を予約していただき、困ったことや不安を言語化する練習をしています。
この時間があることで、心の安定にもつながっている様子です。

成績については不安いっぱいですが黙って見守ります・・・


3. 「高専=発達にやさしい」と感じた理由

高専に入って感じた「発達にやさしい」と思える理由を、改めて整理すると、以下の3点が大きいと感じています。

① 評価基準が明確でブレがない

高専では、テストの点数と単位取得が全てです。
曖昧な評価や、教師との相性、人間関係による加点・減点などがほとんどありません。

これは、一貫性を重視する特性のある子にとって非常に安心できる仕組みです。努力が結果に直結するため、モチベーションにつながりやすいのです。

② 個性が強くても浮かない文化

高専では、個性の強い学生がたくさんいます。

オープンキャンパスで学生さんが「オタクが多い」「変わった子が多くて面白い」と話していた通り、空気を読みづらい、興味が偏っている、話し方が独特…といった特徴が、むしろ「普通」として受け入れられていました。

「周囲に合わせられない」ことが苦手な長男も、この空気の中で安心して過ごせているようです。

③ 必要なときに支援につながれる

・カウンセリング(常駐の心理士)
・担任との定期的な面談
・成績による明確な判断基準(赤点数など)
・困った時の相談窓口が機能している

これらが整っていることで、「困ったときに助けてもらえる場所がある」という安心感があります。中学では本人が支援を拒否する場面もありましたが、高専ではむしろ自ら相談する姿勢が育っているのを感じます。


4. まとめ:打ち込める「何か」があるなら、高専は希望の場に

高専に入学し、わずか数日で生活が整い始めた長男。
これは親として本当に驚きでした。

ADHDの特性は今も変わりませんが、本人が興味を持ち、進みたいと願って選んだ場所だったからこそ、努力できる環境になったのだと思います。

もちろん、今後も成績の壁、生活の乱れなどの課題は出てくるでしょう。
万が一、進学後に「ついていけない」「辞めたい」と本人が感じたなら、そのときは迷わず転校などの選択肢も検討するつもりです。

でも、「発達特性がある=普通高校一択」ではない、ということを、私は長男を通じて実感しました。

打ち込める「何か」があるなら、高専は可能性を広げてくれる場所になり得る。
それは、成績に一喜一憂せずに自分の道を考えられる、発達にやさしい環境だと感じています。

個性強めで生活の乱れ等不安があっても本人が興味を持つ素振りがあれば迷わずオープンキャンパスに家族で参加してみてください!もしもこの先長男が学校を辞めて別の道に行くことになったとしても、後悔はありません。この数ヶ月での変化は今までどんなにがんばって導いてもあり得なかった本人が欲した力だと感じました!ほんとにお勧めします☺️

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