「母だから」全部頑張らなくていい|発達障害兄弟の子育てで見つけた、私なりのバランス

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「もう限界かもしれない」——そう思いながらも「でも私がやらないと誰がやるの」と、疲れた体を引きずって立ち上がる。発達障害のある子どもを育てているお母さんなら、きっと一度はそんな夜を過ごしたことがあると思います。

私もそうでした。長男はADHD(不注意優勢型)、次男はASD(自閉スペクトラム症)。二人同時に発達障害の子どもを育てながら、「母親なんだから全部やれて当然」「私がしっかりしなければ子どもが壊れてしまう」という思い込みに縛られ続けていました。

この記事では、私が実際に経験した「燃え尽きそうになった日々」と、そこから抜け出すために変えたこと・手放したことを正直に書きます。同じように一人で頑張りすぎているお母さんに、少しでも届けば嬉しいです。

発達障害育児で燃え尽きやすい理由——「普通の育児」との根本的な違い

一般的な子育てでも十分大変なのに、発達障害のある子の育児はその何倍もの「特別な対応」が毎日求められます。

学校との連絡帳のやり取り、療育への送り迎え、投薬の管理とタイミング、きょうだい児へのケア、就学相談の準備、先生への特性の説明、友達トラブルへの介入、放課後デイの見学と手続き、主治医との連携……これらがほぼ毎日発生します。

しかも多くのお母さんは、それを「誰にも相談できないまま」一人で抱えています。「うちの子の話、ちゃんとわかってもらえないかも」「大げさって思われたくない」「診断名を言ったら引かれそう」——そんな気持ちで、外に出せずにいる。

さらに、発達障害育児では「正解」がわかりにくいのです。同じ声かけが今日は効いても明日は通じない。昨日うまくいったやり方が今週は逆効果になる。「もっといい方法があるはず」とネットで調べるほど、互いに矛盾する情報の海に溺れていく。

一人で何役もこなし、正解もわからないまま、誰にも共感してもらえずに走り続ける——燃え尽きてしまうのは当然のことです。それはお母さんの能力の問題ではなく、仕組みの問題です。

「母親だから当然」という呪いの正体

私が一番苦しかったのは、「頑張れていない自分を責め続けること」でした。

子どもの癇癪に怒鳴ってしまった夜、「なんで私はこんなにダメなんだろう」と布団の中で泣いた日が何度もありました。「他のお母さんはちゃんとできているのに」「もっとうまく対処できれば子どもも楽なのに」——そんな言葉が頭の中をぐるぐるしていました。

ある日、次男の主治医の先生にこう言われました。「お母さんが倒れたら、誰が子どもを支えるんですか。自分のケアも立派な育児の一部ですよ。」

ハッとしました。私が抱えていた「母親が全部やるのが当然」という思い込みは、いつの間にかすり込まれた「幻想」だったんです。

誰かに頼ることは「逃げ」でも「手抜き」でもない。外部のサービスを使うことは「子どもに申し訳ない」ことじゃない。子どもを守り続けるために、お母さん自身が倒れないことの方がずっと大切なんだ——そう気づいてから、少しだけ心が軽くなりました。

私が実際に「手放した」こと・「頼った」こと

気持ちだけ変えても現実は変わりません。具体的に動くことが大事だと学んだので、私が実際にやったことを書きます。

①完璧な手作り食事をやめた

「毎食栄養を考えた手作り」にこだわっていた時期がありました。発達障害には食事も影響すると信じて疑わなかったからです。でも、スーパーのお惣菜でも冷凍食品でも、子どもが「おいしい」と笑って食べてくれれば、それで十分。食事の質より食卓の空気の方がずっと大事だと気づきました。

週に2〜3回はお惣菜に頼る日を意識的に作ったら、その分の時間と気力を子どもの話を聞くことに使えるようになりました。食卓が「楽しい場所」に変わっていきました。

②学校連絡を夫に分担してもらった

連絡帳の記入、担任へのメール、個別面談の日程調整——すべての学校連絡を私一人でこなしていたのをやめ、夫に分担してもらいました。「私の方が詳しいから」とためらいましたが、夫に任せると意外とうまくいきました。むしろ父親から連絡が来ることで、先生の対応が変わった気もします。「もっと早くお願いすればよかった」と思いました。

③「孤立感」を解消する場を作った

発達障害の子を持つ保護者のオンラインコミュニティに参加しました。最初は「愚痴を言うだけで意味あるかな」と半信半疑でしたが、同じ悩みを持つお母さんの言葉は、どんな専門家の言葉よりも「わかる」と感じられました。「うちだけじゃないんだ」という感覚が、次の日の活力になりました。解決策が見つからなくても、共感してもらえるだけで立ち直れる。それをこのコミュニティで初めて体験しました。

④勉強サポートを外部に任せた

「宿題を見る」「学習習慣をつけさせる」ことに毎日消耗していました。「なんでわからないの!」と怒鳴ってしまうことも。それをやめて、外部の教材や家庭教師に任せるようにしてから、親子の関係が改善されました。勉強のことで言い合いになる機会が減り、夕食の時間が穏やかになりました。

学習サポートを外部に任せるという選択

発達障害のある子の学習サポートを親がすべて担おうとすると、お母さんも子どもも消耗します。「宿題しなさい」「なんでわからないの」「さっきやったでしょ」——こういう言葉が出やすくなると、家が安心できない場所になってしまいます。

私が気づいたのは、「学習の先生役」と「安心できる親」は同時にはなれないということでした。どちらかを選ぶなら、安心できる家庭を作る方を選ぼう。そう決めたとき、学習は外部にお願いする決断ができました。

通信教材やタブレット学習の中には、発達障害のお子さんの特性に配慮して設計されたものがあります。子どもが自分でペースを決めて取り組めるため、親が「やらせる」ストレスが大幅に減ります。我が家で使ってよかったのは「天神」という教材で、発達障害・グレーゾーンのお子さんに対応した内容が充実しています。紙の教材なのでタブレットが苦手な子にも向いており、一人ひとりの理解度に合わせて進められます。資料請求は無料なので、一度取り寄せてみることをおすすめします。

学習サポートを外に任せると、お母さんが「勉強の先生」ではなく「子どもの一番の応援者」に戻れる感覚があります。それが親子関係を根本から変えてくれました。

知っておきたい「頼っていい」サービス・サポートリスト

「頼っていいんだ」と気づいたとき、意外と使えるものがたくさんあることに気がつきました。知っておくだけで、いざというときに動きやすくなります。

  • 放課後等デイサービス:学校が終わった後に専門スタッフが関わってくれる場所です。SST(社会スキルトレーニング)、運動支援、学習サポートなど施設によって特色があります。受給者証があれば原則1割負担で利用でき、きょうだい児との時間も生まれます。
  • 相談支援専門員:福祉サービスの利用計画を一緒に立ててくれる専門家。「何をどこに相談すればいいかわからない」という最初の一歩に頼りになります。市区町村の福祉窓口や発達障害者支援センターから紹介してもらえます。
  • スクールカウンセラー:学校に常駐または非常勤でいるカウンセラー。子どもが行かなくても、親が相談するだけで利用できます。無料で、学校内の情報を持っているため、担任への橋渡し役もお願いできます。
  • 発達障害者支援センター:各都道府県に設置された相談窓口。診断がなくても相談可能な場合が多く、地域の支援サービスについても教えてもらえます。
  • ペアレントトレーニング:発達障害の子どもへの適切な関わり方を学ぶプログラム。自治体や支援機関で無料〜低額で開催されています。同じ境遇の保護者と出会えることも大きな収穫です。
  • オンライン親の会・SNSコミュニティ:同じ悩みを持つ保護者とつながれる場。昼夜問わずアクセスできるため、地方に住んでいる方や外出が難しい方にも利用しやすいです。

「申し込む手間が……」と感じるかもしれませんが、一度つながれば次からは楽になります。最初の一歩だけ、少しエネルギーを使ってみてください。

「正解を探すこと」をやめたら、少し楽になった

発達障害育児で消耗するもう一つの原因は、「もっと正しい方法があるはず」と探し続けることだと気づきました。ネットで調べれば調べるほど、「あの療育がいい」「この食事法が効く」「早期介入が大事」という情報が次々と出てきて、やることリストが無限に増えていく。

でも、「うちの子に合う正解」は、うちの子を毎日見ている私にしかわからないということに気づきました。専門家の意見は大切な参考情報ですが、それを「うちに当てはめるかどうか」は私が決めていい。

全部試す必要はない。全部知る必要もない。今目の前にいる子どもの顔を見て、「今日この子に何が必要か」を感じとれる親であることの方が、何百の情報より価値があります。

「いいお母さん」の定義を変えてみると楽になる

私がずっと思い込んでいた「いいお母さん像」は、すべてを自分でこなし、笑顔で、子どもに常に寄り添い続ける完璧な人でした。でもそれは、現実の私にはどうやっても無理でした。

今は少し定義が変わりました。「いいお母さん」とは、倒れずに子どもの隣にいられる人だと思っています。

完璧でなくていい。怒ってしまう日があっていい。頼っていい。泣いてもいい。それでも翌朝また「おはよう」と言える——それが私の考える「いいお母さん」の姿です。

子どもは「完璧なお母さん」を求めていません。「そこにいてくれるお母さん」を求めています。疲れたときは倒れる前に休んでください。それが子どもへの最善の選択です。

まとめ——全部頑張らなくていい、でも繋がり続けよう

発達障害の子育ては、長距離走です。短距離走のペースで走り続けたら、倒れるのは当然です。

頼れるものを使って、ペースを落として、それでも一歩一歩進む——それが、子どもと一緒に成長し続けられる方法だと私は信じています。

うちの長男も次男も、今も成長し続けています。それは私が完璧だったからじゃなく、諦めずに続けたから。あなたも、今日このページを読んでいる時点で、もう十分すぎるほど頑張っています。

一人で抱えないで。使えるものを使って。一緒に、長距離を走りましょう。

「育て方のせいじゃない」——それだけは信じてほしいこと

発達障害の子どもを育てていると、「私の育て方が悪かったのかな」という気持ちが浮かぶことがあります。癇癪が続く日、友達とのトラブルが絶えない日、「どうしてこんなになってしまったんだろう」と夜中に検索してしまう日。

でも、発達障害は生まれつきの脳の特性です。お母さんの育て方が原因ではありません。これは多くの専門家が繰り返し伝えていることであり、現在の医学的な見解でもあります。

「自分を責めること」は、エネルギーを消耗するわりに何も解決しません。それより、「この子を今サポートするために何ができるか」に使う方がずっと建設的です。

もちろん、言うは易し、行うは難し。私自身、何年もかけてやっと「私のせいじゃない」と思えるようになりました。でも、少しずつでもその方向に気持ちを向けることが、お母さん自身を守ることになります。

きょうだい児のケアも忘れずに

発達障害のある子に手がかかりすぎて、きょうだい児を後回しにしてしまう——これも多くのお母さんが抱える悩みの一つです。うちもそうでした。

次男(ASD)の対応に追われていると、長男(ADHD)への関わりが薄くなる。逆に長男の学校トラブルに頭を使うと、次男の療育の準備が後手に回る。どちらにも「ちゃんとしてあげられていない」という罪悪感が常にありました。

きょうだい児へのケアで私が大事にしたのは、「二人平等にしようとしない」ことでした。それぞれが必要としているものは違います。「今日は○○(長男)と二人の時間を作る日」と決めて、その日はもう一方のことを意識的に後回しにする。全部同時に最高にしようとするから苦しくなる、と気づいてから少し楽になりました。

きょうだい児が「自分のことも見てもらえている」と感じられるような小さな時間を、意識的に作ることが大切です。週に1回の「二人だけの外食」や「一緒にやりたいゲームを選ぶ夜」——特別なことでなくていい。「あなたのことを大切にしている」と伝わる積み重ねが、きょうだい間の関係を守ります。

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